"Ubiquitous Beach Trash" by Ingrid Taylar is licensed under CC BY 2.0
.
英紙ガーディアン紙が報じた新しい研究で、鳥類の肺からマイクロプラスチックが検出された初の証拠が明らかになった。これは、環境中に広がるマイクロプラスチック汚染が、生物の体内深くにまで侵入し、その健康に直接的な影響を及ぼしている可能性がわかってきた。
マイクロプラスチックとは、5ミリメートル以下の微小なプラスチック片で、私たちの生活で使う様々なプラスチック製品が摩耗や分解によって、海、土壌、そして大気中へと拡散している。これまでの研究では、魚や海洋哺乳類、そして人間を含む多くの生物の消化管からマイクロプラスチックが見つかっていたが、呼吸器系、特に肺からの直接的な検出は今回が初めて。
鳥類は、食物を通じてマイクロプラスチックを摂取するだけでなく、空気中に浮遊する微細なプラスチック粒子を吸い込んでいる可能性も指摘され、特に、都市部や工業地帯、プラスチックごみが散乱する海岸地域に生息する鳥類は、高濃度のマイクロプラスチックに晒されていると考えられる。
微細なプラスチック粒子は、肺組織に炎症を引き起こしたり、呼吸機能を阻害したりする恐れがあり、長期的には、免疫系の機能不全、繁殖能力の低下、さらには寿命の短縮にも繋がる可能性を否定できない。鳥類は生態系の中で重要な役割を担っており、彼らの健康状態の悪化は、生態系全体のバランスにも影響を与える。
鳥類の肺からのマイクロプラスチック検出は、人間を含む他の陸生動物への影響についても警鐘を鳴らすもの。すでに、私たちが吸い込む空気、飲む水、食べる食物にもマイクロプラスチックが含まれている可能性が指摘されており、人間の健康への潜在的なリスクを評価するためのさらなる調査が必要だと言えそうだ。
地球を蝕むマイクロプラスチック汚染の拡大を食い止めるために、科学的な知見に基づき、政府、産業界、そして私たち一人ひとりが意識して取り組む必要があるだろう。
<参照リンク>
First evidence of microplastic buildup in bird lungs found in new study
翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部(AIを使用)








