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イギリスのファルマスで、海水から二酸化炭素(CO₂)を直接除去する世界初の大規模プロジェクトが始まった。この取り組みは、カナダの企業「Planetary Technologies」によって運営されている。海の化学反応を利用して海水中のCO₂を吸収し、気候変動を抑えることを目的とするプロジェクトだ。
海は大気中のCO₂を大量に吸収する性質があり、今回のプロジェクトでは、まず海水を取り込んでpH値を変える処理を施し、炭素をより多く引き込めるようにする。処理された海水は再び海に戻され、自然の炭素循環を促進する仕組みとなっている。この技術は「海洋アルカリ化」と呼ばれ、気候危機への新しい対策として注目されている。
この実験は約3週間にわたり小規模な範囲で行われ、研究者たちはCO₂の除去量だけでなく海の生態系への影響も慎重に観察した。科学者や環境団体の中には、「生態系への予期せぬ悪影響が出る可能性がある」と慎重な立場をとる人もいる一方、この方法がうまくいけば、広範囲のCO₂削減につながるとして、多くの期待も寄せられている。
このプロジェクトでは地元の再生可能エネルギーが活用され、処理過程による追加の炭素排出を避ける工夫もされている。現在、世界中でさまざまなCO₂除去技術が研究されているが、海から吸収する方法はまだ実験段階。今後、この技術が本格的に実用化されるには、安全性、コスト、効果の持続性など、多くの点で検証が必要だ。
このような先進的な取り組みを積み重ねていった先に、気候変動の解決が導かれるのだろう。
<参照リンク>
Project to suck carbon out of sea begins in UK
翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部(AIを使用)









