"Sunset over Wetland" by Great Sand Dunes National Park and Preserve is marked with Public Domain Mark 1.0 .
地球がだんだん暖かくなるにつれて、水辺の多い湿地(しっち)から、さらに地球を暖かくするメタンガスがたくさん出てくることがわかってきた。これが、地球温暖化をさらにひどくする「悪循環」になっているのではないかと心配されている。
メタンガスは、二酸化炭素と同じように地球を暖めるガスだが、短い期間で見ると、二酸化炭素よりもずっと地球を暖める力が強い。最近、空気中のメタンガスの量が増えていて、その理由の一つに、自然の湿地から出るメタンガスの量の変化があるのではないかと注目されている。湿地には、酸素が少ない場所で、土の中の古い葉っぱなどを分解する微生物がいる。この微生物がメタンガスを作るので、湿地は地球上で一番大きな自然のメタンガスの発生源になっている。
今回、コロラド大学の研究でわかったのは、地球が暖かくなると湿地の水の温度が上がり、その結果、メタンガスを作る微生物がもっと元気に活動するようになるということだ。湿地の水が暖かくなると、微生物は古い葉っぱなどをより効率的に分解し、その分、たくさんのメタンガスを空気中に出すようになる。このメタンガスが空気中に出ると、地球がさらに暖かくなり、湿地もさらに暖かくなる。
この悪循環は、特に北極やその近くに広がる、今までずっと凍っていた永久凍土(えいきゅうとうど)のある湿地で、とても大きな心配の種になっている。これらの地域では、地球が暖かくなることで凍っていた土が溶け出し、長い間土の中に閉じ込められていたたくさんの古い植物などが、微生物に分解されるようになる。それによって、今まで土の中にあったメタンガスや二酸化炭素が空気中に出てくる可能性があり、その影響は計り知れないと考えられている。
また、暑い地域の湿地でも、同じようにメタンガスが増える心配がある。熱帯の湿地はもともとたくさんのメタンガスを出しているが、地球が暖かくなって水温が上がったり、雨の降り方が変わったりすると、さらにメタンガスが増えるかもしれない。
科学者たちは、このメタンガスの悪循環が、今の地球温暖化の予測に十分に入っていない可能性があると指摘しており、これからの地球温暖化の進み方を考える上で、とても大切なことだと考えている。今、人間が頑張って温室効果ガスを減らそうとしているが、それだけでは、この自然からの「悪循環」を止めるには足りないかもしれないのだ。
この問題に対処するためには、湿地の生態系について、もっと詳しく調べることが必要だ。湿地から出るメタンガスの量を正確に測り、地球が暖かくなることに対して湿地がどう反応するかを予測する、もっと詳しい計算方法を開発することが求められている。また、湿地を大切に守ることと、人間が出すメタンガス(農作業や化石燃料の採掘などから出るもの)を減らすことを同時に進めることが、この悪循環を止めるために非常に大切になる。
湿地は、たくさんの種類の生き物が住む大切な場所であり、洪水を防いだり、水をきれいにしたりする役割も持っている。その大切な湿地を守りつつ、気候変動への影響をできるだけ小さくしていくための全体的な取り組みが、今、急いで求められていると言える。
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A vicious cycle: How methane emissions from warming wetlands could exacerbate climate change
翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部(AIを使用)








