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世界の海で進む海洋酸性化 なにが原因なのか?

"Shellfish hunter" by Gab Bat is licensed under CC BY 2.0 .

世界の海が、科学者たちが考えていたよりも早く、危険なレベルの酸性化に達している。これは、地球温暖化によって引き起こされる海の異変の一つで、専門家たちはまるで「時限爆弾」が時を刻んでいるようだと、強い危機感を示している。

 

海の酸性化は、主に人間活動が排出する二酸化炭素(CO2)が大気中に増えすぎていることが原因だ。海は、空気中のCO2を吸収する大きな役割を持っているが、CO2が増えすぎると、海水に溶け込むCO2の量も増えてしまう。海水に溶けたCO2は化学反応を起こし、海水を酸性に傾け、pH(ペーハー:酸性・アルカリ性の度合いを示す数値)を下げてしまう。

 

この海の酸性化は、特に貝殻や骨格を持つ海洋生物にとって深刻な脅威だ。サンゴ、カキ、アサリ、そして一部のプランクトンなど、多くの海の生き物は、海水中の炭酸カルシウムを使って殻や骨格を作っている。しかし、海水が酸性になると、炭酸カルシウムが溶けやすくなったり、作りにくくなったりするため、これらの生物は生きていくのが非常に困難になる。

 

美しいサンゴ礁は、たくさんの魚や他の海洋生物のすみかであり、海の生物多様性を支える大切な場所だ。しかし、酸性化が進むとサンゴの成長が妨げられ、サンゴ礁全体が弱り、最終的には死んでしまう可能性がある。そうなれば、サンゴ礁に頼って生きている何千もの生物も、そのすみかと食料を失い、絶滅の危機に瀕することになるだろう。

 

また、海の食物連鎖の一番下を支えるプランクトンも影響を受ける。特に、炭酸カルシウムの殻を持つプランクトンが減ると、それを食べる魚やクジラなどの大きな生き物にも影響が及び、海の食物連鎖全体が崩れてしまう恐れがある。

 

科学者たちは、今回の研究で、特定の海域では予想よりもはるかに早く酸性化が進んでいることを発見した。これは、海のCO2吸収能力が限界に近づいているか、あるいは地域の特性によって酸性化が加速していることを示唆している。

 

海の酸性化は、地球温暖化の「もう一つの顔」とも言える深刻な環境問題だ。この「時限爆弾」の針を止めるには、二酸化炭素の排出量を大幅に減らすことが何よりも大切なのだ。

 

<参照サイト>
The World’s Oceans Are a ‘Ticking Time Bomb,’ Reaching Dangerous Acidification Levels  Earlier Than Scientists Thought

 

翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部(AIを使用)

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