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プラスチックは少子化を加速させる!? 有効な解決策はあるのか?

Image by EKM-Mittelsachsen from Pixabay


イギリス ガーディアン誌が伝えた報道によれば、私たちの身近にあるプラスチック製品に使われる添加物が、男性の生殖能力に影響を与えている可能性について、専門家たちが強い懸念を示しているという。生殖医療の第一人者であるシャナ・スワン博士らの報告によれば、過去50年にわたり、世界的な男性の精子数が毎年約1%ずつ減少し続けており、その背景には環境中の化学物質が大きく関わっているのだという。

 

これまで、肥満や運動不足といった生活習慣も原因として考えられてきたが、博士は、ステロイドホルモンの働きを妨げる毒素が最も重要な要因であると指摘。特に、プラスチックを柔らかくするためのフタル酸エステルや、硬くするためのビスフェノール類といった添加物が、精子の減少と密接な関係にあることがわかってきた。フタル酸エステルは男性ホルモンであるテストステロンの分泌を減らし、ビスフェノール類は女性ホルモンであるエストロゲンの作用を強めることが知られている。これらの化学物質は、特に胎児や胚に与える影響が大きく、暴露すると、将来的に精子数の減少につながる「フタル酸エステル症候群」を引き起こす可能性さえあるのだ。

 

この問題は、単に個人の問題として片付けられるものではない。ガラス瓶を使うといった個人の努力も大切ではあるが、私たちが依存しているプラスチック製品の安全性を根本的に見直す必要がある。専門家たちは、有害な化学物質の使用を段階的に廃止するよう、国際的な行動を強く求めている。実際に、プラスチック汚染に関する世界的な条約の策定に向けた協議がジュネーブで行われたが、一部の国が化学物質規制に難色を示したため、合意には至らなかったという。

 

子どもたちの未来を守るためには、地球規模での協力が欠かせない。プラスチックの便利さの陰で、私たちの知らないうちに健康が蝕まれているかもしれない。これは、科学や政治だけの問題ではなく、私たちの生活そのものに深く関わる、大きな課題である。

 

<参照サイト>

Action needed on plastic additives linked to sperm decline, experts warn

 

翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部(AIを使用)

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