"Across the Demilitarized Zone" by Georgia National Guard is licensed under CC BY 2.0 .
朝鮮半島を東西に横切る一本の線、非武装地帯(DMZ)。ここは1953年の朝鮮戦争休戦以来、北緯38度線付近に設けられた、長さ約250キロメートル、幅約4キロメートルの緩衝地帯である。
軍事的な緊張が張り詰め、鉄条網と地雷に囲まれたこの場所は、長らく「分断と悲劇の象徴」とされてきた。しかし、皮肉なことに人間が立ち入ることを厳しく制限された70年余りの歳月が、この場所を世界でも類を見ない「野生動物の聖域」へと作り替えた。
🌿 人が去り、自然が戻った「静寂の70年」
かつてここには、人々の暮らしがあり、田畑が広がり、村が存在していた。しかし戦争によって人が去り、一帯が封鎖されると、自然は自らの力で傷跡を癒やし始めた。耕作放棄地は豊かな湿地となり、荒れた山々は深い森へと戻っていった。
人間が干渉しないことで、生態系は驚くべき速さで回復した。現在、この狭い帯状の土地には、韓国に生息する全動植物の約4割に相当する、6,000種以上の生き物が確認されている。人間の争いが続くすぐ側で、自然は誰にも邪魔されることなく、本来の豊かさを取り戻したのである。
🐾 絶滅危惧種たちが集う「最後の砦」
DMZは、絶滅の危機に瀕している多くの生き物たちにとって、文字通り「最後の砦」となっている。
優雅な冬の使者: 世界的に希少なタンチョウやマナヅルが、冬になるとこの地の湿地に舞い降り、羽を休める。彼らにとってここは、銃声の代わりに静寂が守られた、かけがえのない越冬地だ。
森の住人たち: 山岳地帯では、ツキノワグマや、岩場を軽やかに駆けるゴーラル、そして愛らしい姿のジャコウジカが命を繋いでいる。
伝説の気配: 滅多に姿を現さないが、かつてこの地を統べていたアムールヒョウの痕跡すら、人々の想像力をかき立て続けている。
✨ 負の遺産から「希望のシンボル」へ
DMZの物語は、私たちに二つの大切な教訓を与えてくれる。一つは、自然がいかに強靭な再生能力を持っているかということだ。人間がただ「何もしない」だけで、大地はこれほどまでに美しく蘇る。そしてもう一つは、環境保護が平和への架け橋になり得るという希望である。
現在、この豊かな自然を未来へ引き継ぐため、DMZをユネスコの世界遺産や生物圏保護区に登録しようという動きがある。かつては敵対し合う兵士たちが対峙していた場所が、今では国境を越えて「命を守るための場所」へと変わろうとしている。
この静かな聖域を守り続けることは、朝鮮半島の未来だけでなく、地球全体の多様性を守ることにも繋がっている。いつか境界線が取り払われる日が来たとき、私たちはこの豊かな緑と生き物たちの歌声を、平和の証として誇りを持って次世代に手渡さなければならない。傷ついた歴史から生まれたこの「生命の楽園」は、絶望の中にも必ず再生の道があることを、私たちに優しく説いているのだ。
<関連サイト>
‘A Symbol of Hope’: How the Korean Demilitarized Zone Turned Into a Wildlife Sanctuary
翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部(AIを使用)









