
マダガスカルの牛のウンチをどのように森を守るエネルギーに変えるのか。
この問題に解くにあたってまず最初に考えないといけないことがあります。途上国の貧しい農民を支援するのに、お金がかかるバイオガス施設は向かないということです。
政府や企業の支援で無償でつくれたとしても現地の人の手によって修理することができなければ数年後には無用の長物になってしまいます。
そんな課題を感じながら帯広畜産大学でバイオガスを研究するフェトラ博士に相談をしてみました。彼はマダガスカル出身。現地の状況もよく知り、適切なバイオガス設置の方法を教えてくれるはずです。
そうすると次のような答えが返って来ました。
「マダガスカルに向くバイオガス施設はチェンマイ大学のDr. Suchonが手がけています」
大規模なバイオガスプラントについては国内で見学したことがあります。その建設には数10億規模の資金が必要です。残念ながら国内で低価格なものは見たことがありません。そこで早速、チェンマイに飛ぶことにしたのです。
そのバイオガスとはいったいどんなものなのでしょう。
ここで簡単に紹介しておきましょう。
バイオガスは有機物がメタン菌によって分解されて生まれるメタンガスが中心です。メタン菌による分解は「嫌気発酵」という酸素を活用しません。田んぼや沼の底からブクブクと小さな泡が出ますよね。あれがメタン発酵して自然に生まれるメタンガスです。
自然に生まれてくるメタンガスを大気中に放出したままだと地球温暖化をもたらします。なんと地球温暖化をもたらす主役の二酸化炭素の21~72倍の温室効果をもたらすと言われます。メタンガスは牛のゲップからも発生。ニュージランドでは国をあげてその対策を考えるほどです。同様に牛の糞尿からもメタンガスが生まれます。

牛の糞尿をそのまま放置すると、メタンが大気中に放出されて地球温暖化にもつながります。そしてなにより、悪臭やハエなどが発生するなど近隣からのクレームも多くなります。それは今回訪問したタイでも同じような状況です。
農村ならどこにでもある牛や豚、ニワトリなどの家畜の糞尿。その糞尿から生まれるメタンをどのようにとらえ、自らのエネルギー源として活用するか。その取り組みは低価格で、誰もがつくれるものにしないといけません。
その答えを探すのが今回のチェンマイの旅の目的です。
家庭やレストランの調理用に消費される薪や木炭などの森林破壊を生む燃料の消費をいかに減らせるか。
そのためのツールとして使えるバイオガス施設をこの旅で手に入れることが目的です。(続く)
里山バイオガスで世界をつなごう! 上岡理事長チェンマイを行く ~1~
エコロジーオンライン理事長 / 上岡 裕
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