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音楽は自然とともに 白井貴子

白井貴子さんと言えばファンが総立ちする「ロックの女王」としてのライブシーンが目に浮かぶ。

現在もライブで全国を精力的に回っている白井さんだが、長年にわたって環境活動にも取り組んでいる。

近年は、『帰ってきたヨッパライ』『あの素晴しい愛をもう一度』などフォーククルセダーズの北山修氏(作詞家・精神科医)とタッグを組んだり、手仕事の大切さを伝える展覧会の開催など活動は多岐にわたる。

最近の環境に関わる取り組み、南伊豆で開催された「PEACE MAN CAMP」の様子から話を伺った。 

白井貴子(しらいたかこ)

神奈川県藤沢市出身。

父の仕事の関係で幼少期、藤沢を拠点に大阪・福岡・名古屋にそれぞれ1年間住み、中学・高校時代を京都で暮らす。

京都女子高校~フェリス女学院卒。(音楽科)

 

1981年デビュー。

84年「CHANCE」のスマッシュヒットをきっかけに「ロックの女王」と呼ばれ、当時、アイドル歌謡全盛の中、自らの手で曲を作りバンドを率いて「渋谷ライブイン10DAYS」・「新宿厚生年金会館5DAYS」・「西武球場」ライブを成功させ、女性ポップ&ロックの先駆者的存在となる。

 

1988年、2年間休養~充電のため英国へ移住。

ロンドンでの自然豊かな生活をきっかけにエコロジックな生活を実践。

2001年、神奈川県の環境大使に就任。

取材・構成/大川原通之

写真/小林伸司

取材協力EXCEED

PEACE MAN CAMPを通して学んだこと

2001年から神奈川県の環境大使をやらせていただいてきました。今年になって還暦を迎え、ガッツなエネルギーを持って活動していけるのもそう長くない。もっと具体的な活動をしたいという思いが強くなってきてきました。

南伊豆に家を建てようと思って買った広さ3000坪弱の森(マーガレットグラウンド)を持っています。マイキャンプ場で、自然の息吹を感じたり、疲れた時に癒してもらったり、動植物の美しさ、怖さも含めて感動し、歌が生まれたりする場です。

この6月、この森を活用して楽しく自然を学べるイベント「PEACE MAN CAMP」を開催しました。


当初、南伊豆は遠いので、果たして人が来てくれるんだろうかと不安でした。でも、九州や四国から2日がかりで来てくれた人もいて、30人ぐらいが集まってくれました。

私たちがこの森に行き始めた頃は、自然や環境に関わるような友だちはそう多くはいませんでした。でも、この10何年かで友だちがたくさん増え、今回の「PEACE MAN CAMP」では、ツリークライミングしながら、間伐を体感させてくれる友だちもいました。彼が操るチェーンソーの音がするだけで歓声が上がります。

次の日は海も近いので磯遊びをしました。

漁業権を持っている漁師の友人に指導してもらい、海の生き物を採って、縄文時代のようにその場でさばいて食べてみる。するとまた歓喜の声が沸き起こります。

関西からは「摘み菜の会」の方にも参加していただきました。

私、ヨモギとかセリとか、ミツバとか、ああいう香りのたつものが大好き。ちっちゃい頃はよく摘みながら登下校して、ママが喜んでくれるかなと台所に運んだ記憶があります。

そういう自然のものを食べると、大地と味覚中枢、身体全体がつながっている感じがする。そういう感覚ってとても大事だと思うんです。

「摘み菜の会」は関西の方が多く、阪神淡路大震災の時、緑黄色野菜の流通が止まった時も「摘み菜の会」の皆さんはビクともしなかったそうです!いつ何時、何が起こるかわからない時代ですから、自然のものを食べるテクニックを身に付けておけば、いざというときに食べられます。

こうして「PEACE MAN CAMP」を2日間の日程で終了しました。おかげさまで大成功でした。

「母 TSUNAGU 未来展」の開催

白井さんは今年6~7月に、京都佛立ミュージアムで「母 TSUNAGU 未来展」という展覧会を開催した。デビュー当時のステージ衣装などが展示されたが、この衣装は白井さんのお母様の手作りだったという。

───10月に渋谷で開催された「60 Years A Go Go ! 還暦大感謝祭ライブ」で、デビュー当時の衣装を飾って、お母様への感謝の気持ちを語られていました。

子どもの頃、私がピアノの発表会で着た服は母が作ってくれていたんです。母にとっては私の服やステージ衣装を作ることは特別なことではなかったんです。

デビュー当時の私はロックの女王になりたいという夢が膨らみ、事務所のスタッフもその目的に向けて一致団結していた。スケジュールも山のように入ってきて、コンサートも総立ちの状態になっていきました。

まだ、スタイリストがついていなくて、自分もぎっしりとスケジュールが入っているから、最短で自分が思う服を作ってくれるのは母しかいないと思ったんです。一日しかない休みに、私がぱっとデッサンを描いて、一緒に生地を買いに行って、サイズを測って母が仕上げてくれる。そんなことの繰り返しだったんですね。

衣装の話は、ファンの人にも言う機会がなかったんです。

一度も母に多くの人の前でありがとうと言ったことがなかったし、ファンの人も知らないし、60歳になっちゃったらもう言う機会がなくなるだろうと思って、今年になって私の誕生日に、母が作ってくれた衣装を3点ぐらい並べて、『ママ』という曲をプレゼントしたんです。

そのライブを京都佛立ミュージアムこの館長さんが見に来てくださって、「いい話だからもっといっぱいの人に伝えましょう」といって頂いて大きな個展になりました。

今私たちはほとんど手縫いをしなくなってますよね。

人間が長きに渡って自らの手で自分たちの身を守る衣を作ってきた。私たちの世代が全部これを捨て去ってしまったら、技術とか、愛情とか、家族の絆とか、そういうつながりを全部捨ててしまうことになるのではないだろうか。

「これは一大事だ」と思って、来年は手仕事から始まって、モノを大切にするということで、環境のほうに広げていこうと思っています。例えば、金継ぎっていう器を復活させる技術とか、モノを大切にしていく匠の技っていっぱいありますよね。そういうものも伝えながらやろうかな、と思っているんです。 

北山修さんとの出会い

───最近は、北山修さんの歌を歌われていますが、最初は正直意外でした。北山さんの歌を歌われるようになったきっかけは。

きっかけは、プレゼントのようなご縁だったんです。音楽制作事務所でコンサートの打ち合わせをしていたら、そこに北山さんから電話が入って。

北山さんが次世代に向けて自分の歌を歌う歌手を探していたようで、「誰かいい人いないか」みたいな話になって。その事務所の社長さんが「白井さんいいんじゃないかな」って。ドラマみたいな話なんですけど。「今、北山さんから電話があって、白井さん北山さん知ってますか」「あの北山修さんですか、小さい頃大好きでした」と応えました。

93年に結婚したときに、パーティーで「花嫁」を歌っているんです。自分の曲ではパーティーに似合う曲がなかったのもありますし、90年代に入って、日本語を今まで以上に大切にする歌を作りたいと思った時、その気持ちにぴったりきたんです。

CDが絶滅危惧種となった今、北山さんの歌を歌うようになって、すごく助けてもらっています。

北山さんの歌は絶対的に良いとわかっているから、どんなに私が押し売りしようと、「これは聞かないと損な曲だ」という自信がある。例えば子どもたちの前で歌うとき、『あの素晴しい愛をもう一度』を知らなかったら、これは本当においしく育ったトマトやお米を知らないのと同じくらい大切なことだよ、すごく日本の恵みとして素晴らしい歌だから聞いてください、と言うんですね。

自分の曲だったら、そこまでモチベーション持っていけなかったかもしれないって思うんです。

音楽は自然が変わると自ずと詞も変わってくる。音楽は自然とともにあるんじゃないかと思います。

童謡や北山さんの歌の中には純度の高い日本の音楽が残されています。そこに描かれる美しい自然の描写は大切にしなくてはいけない自然と一緒だと思うんです。

だからこそ私も、ちゃんと地球に生き、多くの感動に出会い、これからも時代に必要とされる歌を作っていきたいと思います。

これからもRoots of the 「涙河」CARAVANは続く!

白井貴子さんの最新情報はこちらでご確認ください。
TAKAKO SHIRAI THE PEACE ON EARTH

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