岡山県倉敷市の田んぼでレンゲが満開に

 いよいよ田植えのシーズンがやってきた。実りの秋のために、全国各地の米所で遅くとも6月までには田んぼに苗が植えられる。

 

 岡山県倉敷市では、田植えを予定している田んぼ一面にレンゲの花が満開になり、4月28日(日)には地元の親子連れなどを招いてピクニックが開催された。子どもたちは、レンゲで冠や首飾りをつくり、カエルなどの小さな生きものを追いかけ、スケッチするなどして春の一日を過ごした。

 

 この田んぼは、NPO岡山県木村式自然栽培実行委員会が2010年から取り組んでいる、農薬も肥料も使わない「自然栽培」の田んぼだ。昨年の春から、種を蒔いていないのにレンゲが咲き始め、今年は一面に広がったという。自然栽培の田んぼでは、アレルギーのある子どもたちでも安心して遊べるということで、近所の幼稚園や保護者から喜ばれている。

 

 かつては日本のどこにでも見られたこの美しい風景は、いまは珍しいものとなってしまった。なぜなら、多くの稲作地帯で除草剤や農薬が使われるからだ。これらの薬は草取りや害虫駆除から農家の人たちを解放してくれたが、田んぼから豊かな生態系が失われてしまったことは残念なことでもある。

 

文/温野まき

 

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