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アフリカの森が危ない!二酸化炭素を吸収する「優等生」から排出する側に転じた理由

 

地球温暖化を防ぐために、森林が二酸化炭素(CO2)を吸収してくれる力、すなわち「カーボンシンク(炭素吸収源)」の役割は非常に重要である。特に熱帯雨林は、これまで地球の気候を安定させるための「優等生」として、大きな期待が寄せられてきた。しかし、最新の研究で、アフリカの森林が、CO2を吸収する量よりも排出する量の方が多くなり、カーボンシンクとしての役割を失いつつあるという、深刻な事実が明らかになった。これは、地球全体の気候変動対策にとって、大きな警鐘である。


 

🌳 森のバランスが崩れた理由

 

この研究は、アフリカ大陸の森林の状況を詳しく調査し、2015年以降、大陸全体の森林がCO2の純粋な排出源に転換してしまったと報告している。このバランスが崩れた主な原因は、気候変動そのものだけでなく、人間の活動が強く関わっている。

特に問題となっているのは、森林破壊、違法伐採、そしてそれに伴う火災の増加である。農地や牧草地を広げるための大規模な森林の伐採は、森が貯めてきた大量のCO2を一気に大気中に放出してしまう。また、森林が細かく分断されることによって、残された木々も乾燥や風の影響を受けやすくなり、自然の状態よりも弱くなってしまうのだ。

アフリカ大陸でこの逆転現象が起きていることは、非常に憂慮すべき事態であり、地球規模での炭素循環のバランスが人間活動によっていかに簡単に壊されてしまうかを物語っている。


 

🌍 地球の未来への大きな影響

 

アフリカの森林、特にコンゴ盆地の熱帯林は、アマゾンに次ぐ世界第二の広大な熱帯林であり、膨大な量の炭素を貯蔵している。もしこの地域で森林破壊がこのまま進み、CO2排出が定着してしまえば、世界のCO2削減努力は大きく後退してしまう。

この研究は、森林が気候変動対策の「頼れる味方」であり続けるためには、私たちが森林に対して積極的な対策を講じることが不可欠であると示している。単に植林をするだけでなく、既に存在する天然林を保護し、違法伐採や無秩序な土地利用から守ることが、最も効果的な気候変動対策であるということだ。

森林の健康は、地球の健康に直結している。アフリカの森が発しているこの切実な警告を受け止め、森を吸収源として保つための具体的な行動を、今すぐ起こすことが私たちに課せられた大切な使命だといえるだろう。

 

<関連サイト>

Africa's forests have switched from absorbing to emitting carbon, new study finds

 

翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部(AIを使用)

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