"Algae blooms make the beach green" by theclyde is licensed under CC BY-NC 2.0 .
SciTechDailyによると、地球がだんだん暖かくなっているため、氷がどんどん溶けている。その結果、なんと海の色まで変わってきていると、科学者たちが心配している。いつものきれいな青い海が、見た目にも変化を見せているだけでなく、これは海の生き物たちに悪い影響があるかもしれないというサインだと考えられている。
ふだん、広い海は太陽の光が水に当たって、透き通った深い青色に見える。しかし、北極や南極に近い場所では、海の色が青から緑色に変わってきているのが観測されている。この色の変化は、氷が溶けて川のように流れ出す大量の水と、その中に混ざっている非常に小さなつぶつぶが主な原因であるとされている。
氷が溶けた水には、氷が岩を削ったときにできる細かな砂や土、そして海の生き物が育つのに必要な栄養が豊富に含まれている。これらが海に流れ込むと、水がにごり、太陽の光の進み方が変わってしまう。特に、これらのつぶつぶが青い光を吸い込み、緑色の光を反射することで、海が緑っぽく見えるようになるのだ。
しかし、海の色が変わることは、単に見た目の問題だけではない。この変化は、海の生き物たちの「ごはんのもと」になる植物プランクトンに大きな影響を与える可能性がある。植物プランクトンは、海の食物連鎖の基盤を形成する、ごく小さな藻の仲間で、太陽の光を使って栄養を作っている。海がにごって色が変わると、植物プランクトンが利用できる太陽の光の量や質が変わってしまうのである。
具体的には、にごった水の中では太陽の光が届きにくくなり、植物プランクトンがうまく栄養を作れなくなるかもしれない。一方で、氷が溶けた水に含まれる豊富な栄養が、特定の種類の植物プランクトンを急激に増やしてしまうこともある。だが、これが常に良いこととは限らない。特定のプランクトンだけが増えすぎると、海の生態系のバランスが崩れてしまい、他の生き物に悪い影響が出ることがあるのだ。例えば、毒を持つプランクトンが増えすぎれば、魚や、その魚を食べる鳥、クジラなどに害を及ぼす可能性もある。
さらに、海の色の変化は、地球の炭素の循環にも影響を与える可能性がある。植物プランクトンは、空気中の二酸化炭素を吸い込み、それを海の底に沈めることで、地球の空気の調節に重要な役割を果たしている。もし海の色が変わることが植物プランクトンの活動を変え、二酸化炭素を吸い込む力が弱まってしまうと、地球温暖化がさらに早く進んでしまうことにもなりかねない。
科学者たちは、この海の色の変化が、今起きている気候変動の新たなサインであると同時に、海の生き物たちにとって非常に大きな警告だと捉えている。今後、海の色の変化が、海の生き物の種類や量、漁業、そして地球全体の気候に、どのような長期的な影響を与えるのかを詳しく調べていく必要がある。そして、その結果をもとに、地球を暖かくするガスを減らしたり、海の環境を守ったりするための具体的な対策を、一層進めていくことが、今最も大切なことなのである。
<参照サイト>
Melting Ice Is Changing the Color of the Ocean – And Scientists Are Alarmed
翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部(AIを使用)









