恐竜が絶滅した小惑星の衝突から生き延びたトンボが、今、人間が引き起こす気候変動と山火事によって絶滅の危機に瀕している。トンボは、3億年以上も前から地球に存在してきた、まさに「生きた化石」のような昆虫だが、その長い歴史で直面したことのない新たな脅威にさらされている。
研究者たちは、世界各地のトンボの生息状況を詳しく調べた。その結果、トンボが特に水辺の環境に大きく依存していることが改めてわかった。トンボの幼虫(ヤゴ)は、川や池、湖などの水の中で育つため、きれいな水と健康な水辺の生態系が彼らの命にとって不可欠だ。
しかし、地球温暖化によって、この大切な水辺の環境が危機にさらされている。
干ばつと熱波: 温暖化による干ばつは、川や池を干上がらせ、トンボが卵を産み、ヤゴが育つ場所を奪っている。熱波は水温を上げ、水の中の酸素を減らし、ヤゴが生きるのを難しくしている。
山火事の増加: 気候変動は、大規模な山火事を引き起こす原因にもなっている。山火事は、水辺の植物や生き物を焼き尽くすだけでなく、火災によって出た灰や化学物質が川や湖に流れ込み、水を汚染してしまう。
これらの脅威は、トンボの数と種類を急激に減らしている。トンボが減ることは、単に一つの昆虫が消えるだけでなく、生態系全体のバランスにも影響を及ぼす。トンボは、蚊やハエといった害虫を食べる役割を担っており、もし彼らが少なくなれば、これらの虫が増え、人々の健康にも悪い影響を与えるかもしれない。
この研究は、トンボのような小さな生き物が、気候変動の影響をどれほど直接的に受けているかを教えてくれる。小惑星の衝突という巨大な自然災害を乗り越えてきた彼らが、今、私たち人間の活動が原因で絶滅の瀬戸際に立たされているというのは、とても皮肉なことである。
そんなトンボを守るためには、彼らが生きる水辺の環境を保護し、何よりも、気候変動の原因となる温室効果ガスを減らす努力を続けることが不可欠だ。これからもトンボが空を舞い続けることができるようにするために、私たちに何ができるのか?よく考える必要がある。
<参照サイト>
Dragonflies survived asteroids—but wildfires and climate change may push them to extinction
翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部(AIを使用)









