健康な土壌は、人間の耳にはほとんど聞こえないが、さまざまな音を発している。オーストラリアのフリンダース大学の研究者は、土壌中の生物多様性を音響で測定する研究を行い、土壌の状態を音で確認できる「エコ音響学」という新しい分野の可能性を示した。研究によれば、土壌中の音の複雑さや多様性は、無脊椎動物の豊富さと関連しており、健全な土壌ほど多様な音が確認された。特に、植生が回復した区域では、伐採された区域よりもはるかに多様な音響が観察され、この技術が土壌の健康状態を明確に反映していることがわかった。ロビンソン博士は、土壌の生物多様性を守るためには、この技術が有効なツールになると期待している。
東京大学の森章教授らは、世界中の森林を解析し、生物多様性が炭素吸収に重要な役割を果たしていることを示した。特に、自然保護区がこの機能性を支えているが、気候変動が進行し温暖化緩和に失敗すれば、この役割が損なわれる可能性があるという。生物多様性と気候変動は密接に関わっており、気候変動は生態系に影響を与える一方、生物多様性は炭素隔離を通じて気候に影響する。今回の研究では、30by30目標を達成するためには、気候変動を抑制し、生物多様性を保護することが不可欠であると結論付けられた。この成果は、今後の生物多様性と気候変動に関する国際政策に役立つことが期待されている。
自然災害は絶滅危惧種にとって大きな脅威となっている。研究者たちは、特に危険にさらされやすい種を特定し、これらを保護するための管理対策を検討している。爬虫類や両生類、鳥類、哺乳類など3,722種が絶滅の危機にあり、ハリケーンや地震、津波、火山が発生しやすい地域に多く生息している。特に、プエルトリコに生息するアカビタイボウシインコが自然災害による影響を受けやすいが、保護活動により存続が試みられている。
今日、ネイチャーポジティブの実現に向けて積極的に取り組む会社や企業が増えています。
ネイチャーポジティブ(自然再興)とは、悪化の一途をたどる生物多様性の状態を改善するために、生物多様性の損失を止め、回復させようという取り組みです。2030年までに、このネイチャーポジティブを達成することを目標としています。
2030年は、SDGsの実現を目指す重要な年でもあります。個人としての取り組みももちろん大切ですが、ネイチャーポジティブに賛同する企業が増えることは、自然と共生する世界を叶えるための追い風となるでしょう。
科学者たちは、「絶滅危惧種を守るため、動物たちのDNAを月に保存する」という画期的な計画を提案しているという。
これは、絶滅の危機に瀕する生物種を、地球上で起こりうる破滅的な事態から救うため、月に生物たちのDNAを保存するというなんとも野心的な計画だ。
科学者たちは、最新技術を使って動物の鳴き声を分析することで、絶滅危惧種の保護に取り組んでいる。オーストラリアの研究チームは、ゾウやクジラなどの鳴き声を調査し、個体数の推定や移動パターンの把握、人間活動による騒音の影響を分析している。新しい分析法は神経科学の技術を応用し、従来より正確で使用が簡単なため、動物音の研究者にとって価値のあるツールとなると期待されている。
映画『ツイスターズ』は1996年の『ツイスター』の続編で、ハリウッドの大ヒット作を目指しているが、気候危機への意識を高める機会を逃していると批判されている。調査によると、過去の多くの映画が気候変動を描いていない。『ドント・ルック・アップ』などが例外として注目されるが、ハリウッドは政治的メッセージを避ける傾向があり、気候変動のストーリーが取り上げられることは少ない。映画業界には、娯楽と教育を両立させる作品の必要性が求められている。
NPO法人エコロジーオンライン(本部:栃木県佐野市 理事長:上岡裕)は、丸岳・里山再生協力会(代表:田中浩唯)と協働して、人から与えられたものではない、自分なりの「解」に辿りつくSDGs体験の場を提供することを目指し、クラウドファンディングを立ち上げることにいたしました。
メガソーラー、カントリークラブ、砕石場などに囲まれた栃木県佐野市多田町は、大都市の建築を支え、再生可能エネルギーを供給し、都会人の憩いの場として、日本の経済成長を支えてきました。そこに小さな里山ビレッジの丸岳地区が存在します。
戦後の復興を支えるべく植えられたスギ・ヒノキの森は手が入ることなく荒れ果て、鹿やイノシシなどの獣害にさらされ、山からの水も枯れ果て、耕す人を失った水田は雑草や低木に覆われていました。
「何とか地域を元気にしたい!」
5年程前、そう思った有志が立ち上がり、バラバラだった森の所有者に声をかけ、森をあつめて下刈りをし、倒木処理や作業道作りなどの整備を始めました。そこから見えて来たのは昔懐かしい里地里山の風景。里山の未来を発掘した瞬間でした。
クジラやイルカからウミガメ、サメ、アカエイまで、私たちの海に生息する多くの動物が絶滅の危機に瀕している。混獲、海中騒音、海洋汚染など、彼らが直面する脅威は多くの場合、人間によって引き起こされており、海洋の劣悪な状況は、迫りくる気候変動の脅威によってさらに悪化している。
以下の動物はすべて、国際自然保護連合 (IUCN) によって絶滅危惧種または近絶滅種に分類されている。
ヨルダンのシャウマリ野生生物保護区で絶滅寸前だったアラビアオリックスが驚くべき復活を遂げ、1990年代には世界最大の群れとしてギネスブックに登録された。この保護区は、1978年に故フセイン国王の指示で設立され、アラビアオリックスを再導入。遺伝的多様性を確保するため、他国から個体を取り寄せ、保護活動を成功させた。現在、アラビアオリックスは危急種に再分類され、ヨルダンの象徴として存在感を取り戻している。