ライブの現場にグリーン電力証書を導入することに成功した僕らは、次に音楽づくりでもグリーン電力証書が使われる流れをつくった。乃木坂にあるソニー・ミュージックスタジオで、グリーン電力証書の導入が決まったのだ。ロックアーティストの浜田省吾さんのアルバムもこのスタジオで録音され、グリーン電力を使ったことが大きな話題となった。こうした取り組みが呼び水となって、音楽、スポーツ、エンタテイメント施設など、さまざまな場でグリーン電力証書が活用されるようになっていった。
お台場に誕生! 太陽光発電施設「ひだまり~な」
こうしたエコロジーオンラインの活動を知った東京都から、新たなグリーンパワー事業で声がかかった。市民共同発電所を都民と一緒にお台場につくりたいというのだ。
僕らが最初に検討したのは風力発電だった。だが、お台場全体の景観や経済性の問題などがあり、風力発電の建設は断念することになった。次に検討したのが、蓄電池を併設し、非常時の電源供給や、イベント時にグリーン電力の活用ができる太陽光発電施設をつくることだった。
都民に興味を持ってもらうため、Yahoo! JAPANにチャリティ企画を持ち込み、有名ミュージシャンにもコメントをもらい、コンサートの収益の一部を寄付してもらうなど、様々なキャンペーンを実施した。当時、グリーン電力証書などの活用に積極的だったのがソニーだった。彼らに協力を要請したところ、提案されたのが銀座のソニービルを活用して寄付を集めることだった。
寄付を集めるにしても、誰が呼びかけるかによって収益が大きくかわってくる。最終的に発電所ができるかどうかわからないため、責任問題が生じる有名人には依頼しづらい。そこで僕らは一計を案じ、このキャンペーンのための環境キャラクターをつくることにしたのだ。
そこである会社に、地球温暖化で絶滅危惧種になったホッキョクグマのキャラクターをつくるよう持ちかけた。その提案に対して、有名デザイナーのShinzi Katohがなみだを流すホッキョクグマのキャラクターを描いてくれた。
なみだを流すなんていう前代未聞のキャラが受けるかどうかわからない。だが、地球温暖化の深刻さを伝えるにはこのくらいインパクトがあってもいいだろうということで、「そらべあ」と名づけ、彼らを核にキャンペーンを練り直した。
その後、ホッキョクグマのなみだに共感する人たちが増え、絵本も生まれ、太陽光発電施設をつくるために必要な金額が寄付で集まった。その結果、お台場の潮風公園に「ひだまり~な」という太陽光発電施設が完成した。
文 / エコロジーオンライン理事長 上岡 裕
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