2016年

9月

12日

グリーンパワーなライフスタイルを求めて ~エコロジーオンラインの16年の歩み~④

ナノ発電所のオーナーが集ってイベントを実施することも。
ナノ発電所のオーナーが集ってイベントを実施することも。

 ナノ発電所は「発電」というものを身近にするために開発を手がけた。それなら暮らしに身近なメディアと組むのがよいだろうと思い、東京のFM局J-WAVEの友人に声をかけ、一緒にナノ発電所を販売しないかと呼びかけた。ナノ発電所の販売は実現しなかったが、平井理央さんの新番組「WONDER VISION」に参加することになり、それがきっかけで、再エネに興味を持ち、僕らの活動に参加してくれる人も増え始めた。

ナノ発電所の応援団

 さらに、思わぬ人の応援をたくさんいただくようになった。その一人が名取裕子さんだった。

 名取さんは、福島第一原発の事故を目の当たりにして以来、夏にはエアコンを止め、グリーンカーテンで涼をとり、熱い夏を乗り過ごした。そして、ナノ発電所を自ら購入し、ライフスタイルのなかに取り入れ、携帯電話などの充電に活用してくれた。その体験を各種メディアで紹介してくれた。そんなサポートもあって2年の間に全国に400の発電所が生まれた。 

 時を同じくしてナノ発電所に再エネの仲間たちが増え始めた。僕らがプロデュースしたナノ発電所は40ワットの出力を持つソーラーパネルがセットだ。そこに興味を持ってくれたのが足利工業大学で「ソーラークッカー」を研究する中條祐一先生だった。

中條先生が開発したソーラークッカーの「エデュクッカー」
中條先生が開発したソーラークッカーの「エデュクッカー」

 ナノ発電所は太陽の光から電力を生み出し、小さな家電製品を動かすのに使われる。中條先生たちが手がけているソーラークッカーは太陽の熱を有効活用し、料理をつくったり、水を温めたりする道具だ。

 途上国では薪の代わりに使われ、森林破壊を防止したり、室内の汚染を予防したり、貧しい人々が安価なエネルギーを手に入れる役にたっている。足利工業大学でそんな途上国で活用しやすいソーラークッカーを開発していた。驚いたのは、ソーラークッカーがナノ発電所と同じ四〇ワットの出力だったことだ。この偶然で話が盛り上がり、同じ出力の小さなグリーンパワーグッズでの協働が始まったのだ。 

グリーンパワーを体験するESD授業

ソーラーパネルとソーラークッカーを活用して調理の比較
ソーラーパネルとソーラークッカーを活用して調理の比較

 僕らの関係がより深まったのは、2014年から実施している環境省のESD(持続可能な開発のための教育)に関わる委託事業での連携だった。ESDは、1990年代の「持続可能な開発」を進めるための総合的な環境教育として生まれた。2002年のヨハネスブルグ・サミットにおいて、日本政府とNGOが共同で提案した「国連ESDの10年」(2005〜2014年)が国連総会で決議され、実際に取り組みが始まった。最終年にあたる昨年は、名古屋で「ESDに関するユネスコ世界会議」も開催され、学校教育の場で具体的に実践するためのプログラムづくりが本格化していた。

 ESDの委託事業では、前述の足利工業大学が開発したソーラークッカーと僕らが開発したナノ発電所、そして薪をつかったロケットストーブで太陽エネルギーの恵みを体験する授業を行った。2015年1月、小学校の校庭には雪が降り積もり、外気温は零度近くだった。それでも太陽の熱でパウンドケーキを焼きあげたソーラークッカーを見た生徒たちの目には太陽エネルギーへの感動があふれていた。

 

 この授業で僕らがメインテーマとしたのは太陽のエネルギーだ。それが形を変えて熱となり、電気となり、木材となる。それぞれがエネルギーとして私たちの暮らしを豊かにしている。だが、太陽熱や太陽光発電など自然から生まれたエネルギーは不安定。電気を熱に変えてしまうと効率も悪く、使い方を誤ると大気汚染や森林破壊を起こす。それらを有効活用して限りある資源で持続的に暮らすことを体感し、実践してもらうことだった。

 群馬県で活動する自然体験学校からの依頼で始まったこの事業だが、図らずも桐生、足利、佐野というネットワークを生み出し、県を越えて人が集うESDの学びの場となった。

 太陽光発電だけだった僕らの取り組みは、この事業を通してソーラークッカーを手がける人たちや、自然体験のプログラムで木質エネルギーを活用するグループとの協働に発展した。

 プログラムを実践するためのミーティングではこんなことも話題となった。自然体験に来る子どものなかには直火を経験したことがない子も多く、危険なことにキャンプファイヤーの火などをつかもうとするというのだ。

文 / エコロジーオンライン理事長 上岡裕

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コメント: 1
  • #1

    Latina Trusty (金曜日, 03 2月 2017 21:07)


    You could certainly see your skills within the work you write. The world hopes for even more passionate writers like you who are not afraid to mention how they believe. At all times go after your heart.

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