東北復興のモデルに!“環境自治体”ロラン島のエコチャレンジ

過疎化、失業率の悪化から環境への取り組みをきっかけに立ち直り、環境自治体として今や国内のみならず世界をリードするロラン島のチャレンジを中心に、デンマークの最新情報をお届けします。

ロラン島についてはこちらのウェブもご覧ください。

2011年

12月

05日

12/16 自然エネルギー100%の島 デンマークロラン島のエコチャレンジ講演会(このイベントは終了しました!)

(このイベントは終了しました!)


脱原発の先進地としてテレビやラジオで話題のデンマーク・ロラン島。

 

現地に住みロラン島からの環境情報発信のプロデュースを手がけるニールセン北村朋子さんが1年ぶりに帰国されます。

 

ロラン島での市民風車の取り組み、水素を活用したエネルギーネットワーク、藻を活用する最先端のエネルギーの開発など、日本が参考にすべき脱原発のチャレンジについてお話をいただきます。

そしてもうひとつの話題がデンマークの環境教育事業。デンマークの子どもたちがどのように自然のことについて学んで行くのか。実際に北村さんのお子さんが通った森の幼稚園の取り組みについてのお話もお聞きします。

 

<自然エネルギー100%の島 デンマークロラン島のエコチャレンジ講演会>

 

・講師:ニールセン北村朋子

・会費:1,000円

・場所:新宿区立環境学習情報センター(エコギャラリー新宿)

・時間:18時~開場

    18時30分〜20時30分

・主催:NPO法人エコツーリズム・ネットワーク・ジャパン

     NPO法人エコロジーオンライン

・事務局:リボーン<エコツーリズム・ネットワーク>

     〒160-0022 東京都新宿区新宿2-2-1 ビューシティ新宿御苑1203

      TEL. 03-5363-9216

      FAX. 03-5363-9218

      URL.http://www.reborn-japan.com/

 

*参加のご連絡はFacebookイベントページ、もしくはEメールでeco-tourism@reborn-japan.comまで、お申し込みください。

 

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2011年

12月

05日

12/16 自然エネルギー100%の島 デンマークロラン島のエコチャレンジ講演会(このイベントは終了しました!)

(このイベントは終了しました!)


脱原発の先進地としてテレビやラジオで話題のデンマーク・ロラン島。

 

現地に住みロラン島からの環境情報発信のプロデュースを手がけるニールセン北村朋子さんが1年ぶりに帰国されます。

 

ロラン島での市民風車の取り組み、水素を活用したエネルギーネットワーク、藻を活用する最先端のエネルギーの開発など、日本が参考にすべき脱原発のチャレンジについてお話をいただきます。

そしてもうひとつの話題がデンマークの環境教育事業。デンマークの子どもたちがどのように自然のことについて学んで行くのか。実際に北村さんのお子さんが通った森の幼稚園の取り組みについてのお話もお聞きします。

 

<自然エネルギー100%の島 デンマークロラン島のエコチャレンジ講演会>

 

・講師:ニールセン北村朋子

・会費:1,000円

・場所:新宿区立環境学習情報センター(エコギャラリー新宿)

・時間:18時~開場

    18時30分〜20時30分

・主催:NPO法人エコツーリズム・ネットワーク・ジャパン

     NPO法人エコロジーオンライン

・事務局:リボーン<エコツーリズム・ネットワーク>

     〒160-0022 東京都新宿区新宿2-2-1 ビューシティ新宿御苑1203

      TEL. 03-5363-9216

      FAX. 03-5363-9218

      URL.http://www.reborn-japan.com/

 

*参加のご連絡はFacebookイベントページ、もしくはEメールでeco-tourism@reborn-japan.comまで、お申し込みください。

 

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2011年

6月

05日

6月1日、デンマーク・ロラン島で「日本大使館とのワークショップ」が開催されました! 1

 早いもので、もう6月に突入ですね。日本では梅雨入りという言葉も聞かれる今日この頃ですが、デンマークは、初夏らしくさわやかな快晴が続いています。なにしろ、6月は1年の中で一番美しい季節と言われているだけあって、緑と青空がまぶしく感じるほど。朝も、様々な種類の小鳥のさえずりがあまりにもにぎやかなので目覚めてしまう、という感じです。6月2日はキリストの昇天日の祝日でお休み。学校は3日もお休みで、デンマーク人の多くは、夏休み前の4連休を満喫しています。

 

 この美しい季節の幕開けとなった6月1日、前回のブログで触れた、ロラン市と、デンマークのクリーンテック企業と日本大使館とのワークショップが開催されました。

 これは、日本の自然災害からの復興などに関連し、グリーンエネルギーに関する知恵やノウハウを最大限に活かせるよう、日本とロラン市やデンマーク企業との協力基盤づくりのための考え方や意見交換を行なうことを目的に実現しました。同日、ワークショップの会場となったロラン市市議会場前の広場では、一般に人々に最新のクリーンテックに親しんでもらうための「グリーン・テクノロジー・ツアー2011」が開催され、国内外からクリーンテック企業の展示が行なわれました。

 デンマークは、クリーンテックの分野では世界をリードする国の一つで、この分野において世界第3位に躍り出ようとしています。昨年のデンマーク国内での販売実績はデンマークのGNPの約3.5%を占め、世界市場をリードする存在です。ロラン島は、デンマーク国内でも、ロランCTF(コミュニティ・テスト・ファシリティーズ)のコンセプトの下、クリーンテック技術に関するフルスケールの実証実験を行なえる地域として、また、クリーンテック技術を開発する企業の立地としても最も魅力ある地域として国内外に知られる存在となっています。

 

今回のワークショップに参加した企業は以下の通りです。

● Floating Power Plant(波力エネルギー)

● Grønt Center(グリーン・センター…藻の研究)

● Biokube(浄水装置)

● Vagns VVS(バイオボイラー)

● Dansk Solenergi(太陽光発電機)

● Rask El(地熱暖房、家庭用風力発電機、ヒートポンプ)

● NIRAS(国際コンサルティング会社 ロラン市とは環境エネルギー、産業分野で提携)

● ET Consultants Pte. Ltd. Singaopre(コンサルタント オールボー大学主任研究員)

● TOUR 2012 EUROPE

 

【佐野利男日本大使のプレゼンテーション】

 ワークショップは、まず佐野利男日本大使が、日本の被災地の現状と、菅政権のエネルギー政策の転換、今後の取り組みの可能性についてプレゼンテーションを行ないました。

 被災地の現状については、震源地や被災地域について図で示され、政府算出の被災総額が16〜25兆円に達すること、被災者は2万9千人に及び、避難を強いられている人も10万人を超えることなどが報告されました。また、OECDによると、日本経済は2011年度前半こそマイナスで推移するものの、後半にはプラスに転じるとの試算も紹介。さらに、交通インフラはほぼ、産業界においては6割以上が復旧していることを紹介し、参加者を驚かせました。

 

 そして、現政権のエネルギー政策の転換については、菅首相が先のOECDの設立50周年式典において、2010年に閣議決定したエネルギー基本計画を見直すと宣言したことを報告。課題として原子力発電の高度安全、環境を考慮した化石燃料の利用、再生可能エネルギーを実用化し、エネルギー政策4本柱のひとつとすることをあげ、再生可能エネルギーによる発電比率を2020年代のできるだけ早い時期に20%とすることも併せて紹介しました。

 

日本における再生可能エネルギー導入ポテンシャルと課題については、以下のような報告がありました。

① 太陽光発電

● 発電コストが他の発電方法に比べて高い。

● 発電出力の不安定を解消するシステムの安定化措置が必要

② 風力発電

● 立地条件が限られる(風力、自然公園、景観、バードストライク等)。日本は国土の7割が山岳地帯であり、平地が限られる。海も、遠浅ではなく、海上に風車を建設するのがより困難という部分がデンマークとは大きな違いである。

● 出力が不安定、電気系統システムに制限

● 騒音の問題(音、低周波)

③ バイオマス発電

● 大規模設置のための、原料確保の問題

● CO2削減のためのライフサイクルアセスメントの検証が必要

その他④水力発電、⑤地熱発電など

 

 再生可能エネルギーに関する導入ポテンシャルシナリオについては、FIT(フィードインタリフ)対応シナリオ、FIT+技術革新シナリオ、FIT対応シナリオ+補助金、FIT+技術革新シナリオ+補助金が示され、現時点において、将来的に、日本において導入ポテンシャルが大きい再生可能エネルギーは、風力発電と考えられることがわかりました。

 

 また、民間や自治体のエネルギーへの取り組みの事例として、ソフトバンクの孫正義氏が自然エネルギー協議会を設立することを発表、全国半数以上となる26都道府県が参加を正式に表明したことに加え、休耕地を利用した太陽光発電による「電田プロジェクト」構想も報告されました。

 

 最後に、佐野大使は、世界第3位の経済大国である日本は量ではなく高い品質を求められるハイテク産業を多く抱えており、エネルギーの安定供給が不可欠であることから中央集中型の原子力発電を推進してきたが、今後はエネルギー政策を転換することになり、その移行には時間がかかることを重ねて強調していました。

 

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PROFILE

ニールセン 北村 朋子(にーるせんきたむらともこ)

デンマーク・ロラン島在住のライター、ジャーナリスト、コーディネーター。再生可能エネルギーの利用などの環境や食など、地球と人にうれしいライフスタイル追求がライフワーク。森の幼稚園の運営委員、ロラン市地域活性化委員、デンマーク・インターナショナル・プレスセンター・メディア代表メンバー。

 

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2011年

6月

05日

6月1日、デンマーク・ロラン島で「日本大使館とのワークショップ」が開催されました! 2

【ロランCTFと被災地復興への提案】

 これを受けて、ロラン市のレオ・クリステンセン氏が、ロランの環境エネルギープロジェクトの要である、CTF(コミュニティ・テスト・ファシリティーズ)について解説したものを以下に記します。

 

 ロランCTFの背景として、かつて基幹産業のひとつであった造船業とその関連産業の衰退により、方向転換を余儀なくされたことがあり、その際、20%を超える失業率を伴う経済危機から復興を遂げるには地域にすでにある資源を最大限に活用することが不可欠との結論に達し、そのひとつが、90年代後半、ほとんどの人にあまり知られていなかった再生可能エネルギーという、先を見越した取り組みとなりました。

 ロランのエネルギーソースの中心は風力発電であり、現在、2500GWhの電力を、コペンハーゲンを含むシェラン島に送っています。将来的には、こうした『輸出』エネルギーの割合を減らし、例えば、もうひとつのロランの重要な経済基盤である農業とバイオマス生産に余剰エネルギーを組み合わせることで、ハイバリュー成分を生み出す産業を創出するなど、エネルギーの地産地消を目指しています。ロラン島は、島の中心に高速道路が通っており、2020年にはドイツとの間に海底トンネルが開通することになっていることや、ロラン島での生産は、100%グリーンエネルギーを利用できるというメリットがあるため、産業の要所として多くの企業の関心を集めています。ロラン市とその隣のグルボースン市は、今後3年間で10億デンマーク・クローネ(約157億円)をクリーンテックに投資する予定で、この分野での成長はしばらく続くと思われます。

『水素コミュニティ』


 再生可能エネルギーの地産地消を目指すプロジェクトの一例。余剰電力で水を電気分解し、水素として貯めておくことで、バイオマス生産にも、住宅地にも有効活用ができます。世界初の試みなのでいろいろとハードルはありますが、自治体がこれに取り組むメリットは、新しい技術に取り組みたい大学や研究所、その技術を活かして産業を起こしたい企業に門戸を開くことで、地域に労働市場を創出できる部分にあります。今後は、電気自動車の普及や化石燃料ベースの空調設備が姿を消していくと考えられることから、ますます電力が必要になります。そこで、日中、エネルギーが必要な産業へ、個々の家庭で生産されたエネルギーも活用できるようなシステムづくり、つまりインテリジェントなスマートグリッド構築が重要になります。

 

 バイオマスについては、5年前まではバイオマスを使ってのエネルギーづくりがCO2ニュートラルであると非常にもてはやされていました。しかし、たった5年の間に、世界ではその優先性が大きく変わってきています。現在は、まず食料としての利用が第一、続いて、ハイバリュー成分を抽出すること、そして、その2つから残ったものをエネルギーとして使う。さらに、その残りかすを肥料として農家に還元し、再びまたバイオマス生産に利用するという循環性に焦点が置かれています。『グリーン』になることは簡単ですが、『グリーンで持続可能』になるには、更なる工夫が必要なのです。

 

『オンセヴィ気候パーク』

 

 バイオマス、中でも『ブルーバイオマス』に関わってくるのが、ここでのプロジェクトです。ロラン島北西部の小さな港町、オンセヴィは2006年に大洪水に見舞われ、町の全ての家が床上浸水に見舞われました。そこで、沿岸防護の必要性が浮上したのですが、コストのかかる堤防を作るにあたり、堤防事態がブルーバイオマス=藻の培養工場になれば、経済を生み出すことができると考えました。そこで、ロラン島にある農産業、環境テクノロジーの研究所であるグリーン・センターや国内外の大学と共同で、いかに堤防のそばで藻を培養できるかを研究しています。将来的には、この堤防は地域を水害から守り、堤防が藻の工場として機能し、排水を浄化すると同時に経済を生み出し、それによって地方自治体からの人口流出を防ぐことが期待されています。陸上で藻を培養するよりも、既にある水辺で藻を培養する方が効率もよく、確実に経済に好影響を与えることができる。今ある条件を最大限に、多岐に有効活用するというホリスティックな視点が、ますます求められます。同じような取り組みが世界のどこでできるのか調査するため、アメリカのNASAの協力も得ています。また、EUの協力も得ながら、海上風力発電パーク内での海水藻の培養についても研究を進めています。

 

『フローティング・パワー・プラント=波力+風力発電』


 日本大使からのプレゼンテーションで、日本における海上風力発電機設置の難しさについて話がありました。それを解決する技術のひとつになりうるのが、波力と風力を組み合わせた発電です。この実証実験も、ロランで行なわれています。詳細は、後に記します。

 

『(復興後の)地域づくり、町づくりに不可欠な合理的な施設設置プラン』

 

 ロラン市の下水処理場は、生物学的な方法で浄水していますが、この処理場の隣には、地域暖房施設があり、この隣接性が実は今後、重要となってきます。この地域暖房施設から出る排煙は、これまでの研究が最大限に活かされているので、おそらくヨーロッパで最もクリーンな排煙ですが、CO2を含み、54℃の熱を帯びています。これを、下水処理場に利用することで、自治体最大のバイオ原料である排水をエネルギー源に変えることができると考えられています。つまり、将来的には下水処理場が、市民に使ってもらう地域暖房のおかげで浄水でき、エネルギーも生み出せる発電所になる可能性があるのです。そういう意味で、ライフライン関連の施設は、計画的に近くに建設するプランづくりが、地域を効率よく利用し、付加価値ビジネスを生み出す上でのカギとなります。

 

『環境プロジェクトを、教育の現場にも』

 

 ロラン市で実証実験や環境プロジェクトを行なう場合は、それに関わる企業や大学、研究所などが、学校や地域で特別授業や講義を行なうなど、必ず教育にもフィードバックを行なっています。そうすることで、将来実際にこうしたクリーンテックを利用した生活を営むことになる次世代の子どもたちへ、再生可能エネルギーと持続可能な社会づくりの考え方を伝えていくことができるのです。

 

『被災地がロランCTFやデンマークのクリーンテックを活かした復興を遂げるためには』

 

● リアルライフに即した実証実験を兼ねたクリーンテックの導入。

● そのための必要事項や可能性を洗い出すために、大学など専門機関と協力する。デンマークの各大学は、すでに日本とも共同研究などを進めている分野も多く、ロラン市も多くのプロジェクトで関わっていることから、恊働もスムーズにいくであろうと思われる。

 

【出展企業からのプレゼンテーション】

 次に、今回の「グリーン・テクノロジー・ツアー2011」出展企業から、日本のこれからに役立ちそうなテクノロジーについてのプレゼンテーションが行なわれたので、その中からいくつかご紹介します。

 

『フローティング・パワー・プラント』

http://www.floatingpowerplant.com/

 

ロランCTFのプレゼンテーションの中でも触れられていた、波力と風力を組み合わせた発電設備に取り組む企業です。ロラン島のオンセヴィ沖で実証実験を行なっています。この「ポセイドン」と呼ばれる発電装置は世界で初めて、水深35mを超える地域での発電を可能にしました。幅240mのプラットフォームの場合、年間50GWh以上の発電が可能と試算されていて、これだけでおよそ12,500〜15,000世帯への電力供給が可能です。すでに日本や韓国からも問い合わせが来ているとのことで、海上風力発電機の設置が難しい場所での発電に力を発揮しそうです。

 

『バイオキューブ』

http://www.biokube.com/

 

自然発生の細菌を使って排水を浄化し、その水はそのまま川や海、湖に流せるほどの水浄化システム。ロラン島で5年前に起業した小さな会社ですが、水質汚染問題は世界各国に共通の問題であることから、すでに43カ国への導入実績を持っています。その中には、アフリカのジブチ共和国の日本の自衛隊の海外基地も含まれます。一般家庭から集合住宅、工場、商業施設など、様々なスケールでの導入が可能で、騒音も臭いも出さずに排水を再利用できる状態まで浄化することから、被災地で水道が完全復旧していない場所などでの一時的な利用も考えられます。

 

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ニールセン 北村 朋子(にーるせんきたむらともこ)

デンマーク・ロラン島在住のライター、ジャーナリスト、コーディネーター。再生可能エネルギーの利用などの環境や食など、地球と人にうれしいライフスタイル追求がライフワーク。森の幼稚園の運営委員、ロラン市地域活性化委員、デンマーク・インターナショナル・プレスセンター・メディア代表メンバー。

 

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2011年

6月

05日

6月1日、デンマーク・ロラン島で「日本大使館とのワークショップ」が開催されました! 3

【まとめ】(ビジネスLF レオ・クリステンセン氏)

● 佐野大使のお話から、日本のビジネス分野は急ピッチで元に戻りつつあり、その目線はすでに復興のためのグリーン・セクターへと向いている。

● 環境エネルギー分野の進歩は日進月歩で、5年後にはCO2を上手くエネルギー源として取り込む方法が編み出されているかもしれない。

● 大切なのは、今、エネルギーだけにフォーカスするのではなく、環境、まわりとのかかわり合い方、インフラの新たな視点での整備法なども一緒に考えていくことである。

● 企業も、自治体も、それぞれに社会的責任を負っており、共に協力することで、より高い次元にフォーカスすることができる。

● ロラン市の場合、10億DKKをクリーンテックに投資するなら、その3割を大学や研究所、エンジニアリング企業と共に知識の習得のために投資する。そこで得られた知識は、国内のビジネスに反映させ、その成功に基づき海外との取引をはじめる。

● デンマークは「再生可能エネルギー法」で、各世帯が小型風車やソーラーパネルなどを使ってエネルギーを生産することを認められており、グリッドは電池の役割を果たす。

● 自分で使うエネルギーを自分で生み出すことで、節税対策にもなり、その分を設備投資のローンにまわすことができる。

● こういう人が増えれば、この方面の産業も鍛えられる。

 

『ロラン市からの提案』


● これから日本でクリーンテック産業を誘致しようと思う自治体があるなら、ぜひ、ロラン市ほか、ここ5年〜10年の間ですでに成功しているヨーロッパや世界の事例を実際に見に来てほしい。

● 「知識社会」ともいえる、デンマークの大学と密にコンタクトを取ることもお勧めしたい。

● まずはどんなクリーンテック産業を誘致したいのか考え、産業とのバランスを考えた町づくりをすることが重要。地方自治体の場合は特に、逆のやり方では産業を誘致しにくい可能性がある。

● 今後、両国のクリーンテック産業がお互いの国で、その地域の求めているものに合ったビジネスを展開していくために、まずは知識移転からはじめて、ビジネス移転へと進むことが望ましい。

● ロラン市にとって、海との長い歴史を持つ日本のブルーバイオマス、海藻などの産業はぜひとも学びたい技術のひとつである。

 

『日本大使からの提案』


● 6月13〜16日まで、デンマークのフレデリック皇太子が日本を公式訪問され、デンマーク企業も参加して今回のようなセミナーが日本でも開催される予定。

● こういったワークショップやセミナーは非常に有益と考える。今回の内容は日本のデンマーク大使館にフィードバックする。デンマーク大使館は非常に戦略的でビジネスマインドに溢れているので、両国でのワークショップ/セミナーはきっと今後に生きてくると考えられる。

● 日本大使館には、本日参加している住田、大倉両一等書記官が、そしてデンマーク大使館にはイェスパー・ハンセンさんがおられるので、彼らが両国の情報、ビジネス面での交流の橋渡しができる。

● また、このワークショップにも参加している岩元達弘氏が所長を務めるジェトロ・コペンハーゲン事務所でも、両国間のビジネスの橋渡しの役割を担う。

● プレゼンテーションでも触れた通り、ソフトバンクの孫社長が、大規模なソーラーパネル設置事業へ向け、自治体との恊働を開始している例もある。今後の日本の企業や自治体で何が起こっているのかを注視していてもらいたい。

 今回、初めてロラン市と企業、日本大使館とのワークショップ開催のためのコーディネートをしましたが、お互いの国の現状や考え方を理解することができて、とても有意義な一日でした。これから更に踏み込んだ話し合いを行なうために、大学や研究所、今回出席できなかったクリーンテック企業などと第2回、第3回のワークショップが開催できればと考えています。こういったワークショップの成果を、ぜひとも被災地の復興に活かしたいので、ご質問などあれば、エコロジーオンラインにご連絡をお願いします。

 

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ニールセン 北村 朋子(にーるせんきたむらともこ)

デンマーク・ロラン島在住のライター、ジャーナリスト、コーディネーター。再生可能エネルギーの利用などの環境や食など、地球と人にうれしいライフスタイル追求がライフワーク。森の幼稚園の運営委員、ロラン市地域活性化委員、デンマーク・インターナショナル・プレスセンター・メディア代表メンバー。

 

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2011年

5月

09日

2011年5月8日 「ロラン島が今、被災地に役立てるとしたら…」

 この度の東北大震災では、多くの方が犠牲になり、今も行方不明の方、長期間に渡る避難生活を強いられている方、不自由な生活を余儀なくされている方がたくさんいらっしゃいます。犠牲になられた方々とご遺族の皆さまに対し、深くお悔やみを申し上げます。また、被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。

 

 3月11日の大震災を、私はロラン島でいつものように迎えた朝、ラジオで知りました。直後につけたデンマークのテレビでも、被害の大きさ、深刻さをニュースが24時間態勢で伝え、頭の中が真っ白になりました。日本の家族や友人と連絡を取ろうとしたり、ニュースを見たりしては無力感に苛まれ、泣き暮らす日々を数日間過ごしていました。幸い、その数日間のうちに、家族もほとんどの友人も無事が確認できましたが、このままではいけない、デンマークからでも何らかの形で被災地の役に立てるはずだ、と思い始め、ロラン市をはじめ、デンマークの知り合いに連絡を取り、同時に、日本の被災地の情報を集め始めました。デンマークの多くの友人たちも、日本の未曾有の自然災害と原子力発電所の相次ぐ事故など不穏な状況に、大変心を痛めていましたし、何か役に立てることはないか、と気遣いを見せてくれる人たちもたくさん連絡をくれました。

 先日、ロラン市でずっと環境エネルギー政策の現場で指揮を執ってきている、プロジェクトマネージャーのレオ・クリステンセン氏と会って、日本の被災地の状況などについて意見交換をしました。ロラン島は、自然災害でこれほどの甚大な被害を受けたことはありませんが、以前にこのコラムでも述べたように、80年代の重工業の衰退による失業率の急激な悪化(20%以上)や人口流出を、再生可能エネルギー関連企業の誘致や再生可能エネルギーR&Dを目指すという政策転換で食い止め、自治体を「復興」させた経験を持ち、今もその政策は進化を続けています。大震災発生以来、福島第一原子力発電所の事故もあり、被災地は広範囲に及び、それぞれの地域特性に合った復興プランが求められています。中には、海外からの英知も受け入れたいとする被災地域や自治体もあり、その声に応えるため、現在、ロラン市でも、20年以上に及ぶ持続可能なエネルギー、地域社会づくり政策の実績を活かそうと、これまで培ってきた大学、研究所、企業など国内外の専門家のネットワークも利用しながら、復興プランづくりの支援に乗り出しました。ロラン島が最も得意としてきた風力発電と、藁や木屑、廃材、廃棄物を燃料とするバイオマス、主に家畜の糞尿を燃料とするバイオガスのコージェネレーション設備、波力+風力発電、再生可能エネルギーをムダなくバランスよく使うための、スマートグリッドの構築、送電によるロスをできる限り少なくし、地域に職と労働力を取り戻すための産業の誘致策、食料としての穀物、野菜生産ができない、放射能汚染された土壌の浄化を行うための、ファイトレメディエーションと、そこから生産された植物をバイオマス燃料とするための、汚染物質除去効果のある焼却施設設置のノウハウなど、幅広い支援が期待されています。また、子ども時代から自然に親しみ、自然の摂理や自然エネルギーについて親しんでもらうための、森の幼稚園や学校での環境教育なども、ぜひ被災地の地域復興の参考になればと考えています。

現在のロラン島の再生可能エネルギーへの取り組みの代表的なものは、以下の通りです。

 

●風力発電…多くの市民が風車を個人で、または組合で所有し、自らが発電、売電に関わっている他、2010年にはニュステッド沖のロドサン海上風力発電パークのパート2が稼働を開始し、2003年にオープンしたパート1と合わせると、合計162基の海上風車が、トータル14億kWhのグリーン電力を生産しています。これは、ロラン島と隣のファルスタ島のエネルギー需要の約5倍にあたるため、余剰エネルギーをコペンハーゲンなどの大都市に供給しています。

 

● 水素コミュニティ…ヴェステンスコウにある、世界初の水素コミュニティは、フェイズ2までの実証実験をもとに改良された、第三世代のマイクロCHP(熱電供給)システムの導入が、急ピッチで進められています。まずはヴェステンスコウの町に40軒、さらに、2012年末までに第四世代のマイクロCHPを開発して商品化を目指し、国内1万軒の水素ハウス化を計画しています。

 

● 藻の研究…近い将来のグリーンなエネルギー源、ハイバリュー・コンポーネントの原料として、また食料生産の原料として、グリーンセンターや各大学、アメリカNASAとの共同研究を続けています。

 

 ロラン市のようなデンマークの地方自治体も、日本と同様に都市部にエネルギーを供給する大切な役割を担っていますが、今後は、日本でも原子力発電に頼る仕組みから、電力の供給元の地域、自治体に負担をかけない仕組みが必要になってきます。そのためにも、これまでの、ロラン島やデンマークのグリーンエネルギーに関する知恵を、被災地復興に最大限に活かしてもらえるよう、現在、ロラン市と共同で日本とデンマークとの間でのワークショップなどの企画を進めています。企画の概要が決まり次第、順次、このコラムにてご報告していこうと思っています。

 

お問い合わせは、エコロジーオンラインまでお願いいたします。

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ニールセン 北村 朋子(にーるせんきたむらともこ)

デンマーク・ロラン島在住のライター、ジャーナリスト、コーディネーター。再生可能エネルギーの利用などの環境や食など、地球と人にうれしいライフスタイル追求がライフワーク。森の幼稚園の運営委員、ロラン市地域活性化委員、デンマーク・インターナショナル・プレスセンター・メディア代表メンバー。

 

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2010年

8月

03日

ごぶさたでした!ロラン島の近況です

 みなさま、ごぶさたしております。

 日本は、毎日暑い日が続いているようですね。デンマークも、この夏は長く寒い春が明けたとたんに猛暑が訪れて、連日30℃近くを記録していました。しかしながら、ここ一週間ほどは24〜25℃くらいで、日陰や風が吹いた時は少し涼しく肌寒く感じるほどです。

 

 今日は、急いでお知らせしたいことがあります!

 NHK BSの「プラネットベービーズ」という番組で、ロラン島の森の幼稚園と、そこに子供達が通う家族の子育てや暮らしが紹介されています。

初回の放送は7月29日だったのですが(お知らせが今になって申し訳ないです!)、再放送も以下の通り予定されています。

 

BS2 8月2日(月)午後11:45~翌0:14


BS-hi 8月4日(水)午前7:00~7:29


BS2 8月5日(木)午後3:30~3:59

 この番組のロケは、森の幼稚園が夏休みに入る直前の6月に行われたのですが、撮影スタッフの方々が、とても熱心に、じっくり時間をかけて、子供たちや家族の人たちと対話をしながら撮ってくださったので、子供たちの生き生きとした毎日や森の幼稚園の保育の素晴らしさ、家族のつながり、ロラン島の自然の美しさがとてもよくわかる番組に仕上がっていると思います。

 

お時間のある方は、ぜひぜひご覧になってみてくださいね。

番組のリンクは以下の通りです。

http://www.nhk.or.jp/baby/archives/archive100729.html

 

 

 また、この番組を見てロラン島や森の幼稚園に興味を持たれた方は、エコツアーで体験していただくこともできます。エコツアーについての詳細は、リボーン〈エコツーリズム・ネットワーク〉にお問い合わせください。http://reborn-japan.com/

 

 他にもお伝えしたいニュースがあるのですが、今日は取り急ぎこの辺で!

 

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ニールセン 北村 朋子(にーるせんきたむらともこ)

デンマーク・ロラン島在住のライター、ジャーナリスト、コーディネーター。再生可能エネルギーの利用などの環境や食など、地球と人にうれしいライフスタイル追求がライフワーク。森の幼稚園の運営委員、ロラン市地域活性化委員、デンマーク・インターナショナル・プレスセンター・メディア代表メンバー。

 

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2009年

8月

10日

ようこそ、森の幼稚園へ!

 こんにちは。 

 ここ数日、連日28℃を記録し夏らしい日が続くロラン島ですが、畑では小麦、大麦、ライ麦などの収穫が始まって、秋の気配もちらほら、といった感じです。庭にはりんごやすもも、ブラックベリー、洋梨がたくさん実って、そろそろ食べ頃となってきました。我が家にはりんごの木が11本あるのですが、古くからある木で種類も様々、時間差で熟すので、これから冬にかけては、ほとんど果物を買いにいく必要がないほどです。というより、我が家では当然食べきれないので、ご近所に配ったり、学校や森の幼稚園、施設などにお裾分けをしたりして、おいしいうちに食べてもらうようにしているんですよ。息子は、この時期になると、毎日カゴやボウルを持ってせっせと庭に出て、おいしそうに色づいた色とりどりの果物をとって来ては、おやつに食べています。私と夫は、暇を見つけては、ジャムを作ったり、ジュースにしたり、保存食作りにいそしみます。手間と時間がかかりますが、今これをやっておくと、冬の間やクリスマスのケーキやおやつ、料理に大活躍するので、やっぱり楽しんで作っちゃいます。今年もどうやら大豊作なので、お義母さんにも手伝ってもらわなくちゃ、ですね。

 

 ところで、先日、神奈川県の私立の幼稚園の園長先生や教諭の方々11名が、ロラン島にある森の幼稚園2園に視察を訪ねてくださったんですよ!私は、コーディネーター兼通訳として同行させて頂きました。森の幼稚園は、1970年代にデンマークで始まった、自然とのふれあい、環境を意識した教育を通して、健康な子供を育むことを目指した、ユニークな保育システムです。ロラン島の森の幼稚園では、一年中、毎日朝8〜9時頃から午後4〜5時頃まで、子供たちはどんな天気でも森の中で過ごしているんですよ。

 

 まずは、ロラン市立の森の幼稚園「Troldkrogen(北欧神話に出てくる、森の小人トロルの住処、の意)」から視察を開始。先生方は、まず茅葺き屋根の園舎にびっくり!うっそうとした森の中に入ると、木で作られた大きなテント小屋があり、またまたびっくりです。この日はまだ夏休みを取っている家族が多いこともあり、園児は10人ほどでしたが、普段は30人前後の園児を、園長先生と2人の保育士さんで見ています。

 この森の幼稚園では、毎週テーマが決まっていて、例えば「魚」というテーマの週は、先生と子供たちとで、「魚はどこにいるのだろう」という話し合いをすることから始まります。そして近くの湖まで魚釣りに行って、釣って来た魚を観察し、それをさばいて、料理し、ありがたく頂く、という流れです。「穀物」というテーマでも同様に、例えば小麦はどこにあるのかを話し合い、園内で小麦を栽培したり、もしくは小麦栽培農家を訪ねて収穫を手伝い、その小麦をもらってきて石臼で粉に挽いて、それに水と酵母などを加えて手作りのかまどでパンを焼くという、電動や自動の器具などは使わないシンプルな工程を体験します。そうすることで、子供たちが自然、食、暮らし、社会の全体像をとらえられるよう手助けをするのだ、と園長先生は話していて、日本の幼稚園の先生の皆さんは、それを熱心に聞いていらっしゃいました。

 森の中の、8000㎡強の広い敷地内では、「のこぎり工房」「トンカチ工房」「ナイフ工房」「穴掘り工房」「音楽工房」「料理工房」「お話コーナー」など、テーマに合わせて柳の枝をカゴのように編んで作ったエリアが点在しています。大人は、子供たちができるだけ興味を持ってやり始めた遊びをやりとげられるよう、極力そっと見守ることになっているので、子供たちは思う存分、イマジネーションを駆使して、遊びの世界に没頭できます。木のベンチやテーブル、柳細工、木の枝で作った人形、木の切り株や枝、いらなくなった鍋などで作った楽器などはすべて森の幼稚園の園長先生や保育士さん、それにここに通う子供たちのお父さん、お母さんたちの手作り。デンマークの森の幼稚園では、親が共働きの家庭が多いせいか、日本の幼稚園の運動会などのように、あまり親御さんが参観できるような行事はありません。その代わりに、年に2回ほど、金曜日の午後や土曜日に親も子供も一緒に集まって、森の幼稚園をもっとよくするためにはどうしたらいいか知恵を出し合い、先生たちも一緒に森の幼稚園の設備の補修をしたり、木や縄で新しい遊具を作ったりしながら、先生や園児の親たちとの交流を深め、子供たちが森でどんな風に過ごしているかを知る機会としています。この森の幼稚園は、開園してもう17年が経ちますが、今でも長い入園待ちリストができているという人気の園です。「文化、感覚能力、身体能力という基本的な事柄に加え、自然との共存、社会性、民主主義などを、子供なりにトータルにバランスよく身に付けることが大事」。園長先生のラウネはそう教えてくれました。

 

 お昼をはさんで、今度は、私立の森の幼稚園「Den Blå Anemone(青いアネモネ)」へ。この園のあるブランストロップの町では、学校や保育所の閉鎖を受けて、過疎化が進みかけていた地域に活気を取り戻すべく、地域住民が一致団結。子供を持つ親や地域から要望の多かった森の幼稚園を、本当に作ってしまったのです。私も運営・サポート委員として立ち上げに参加し、息子もこの森の幼稚園のお世話になりました。今では、平均して35人の園児を、園長先生を含む6人の保育士が見ています。この園は、私立ということで、園の運営は父兄からなる運営委員会が行い、園の経済支援活動はサポート委員会が実施。今では、3年先まで入園の予約でいっぱいという人気の幼稚園に成長しています。

 

 ここは、10月で設立4年目を迎えるという若い園ということもあり、約1ヘクタールの森の敷地内はとてもシンプルです。この園ではまかないさんが月〜木曜日までは毎日、子供たちと先生たちのためにお昼ご飯を作ってくれるので、そのための小屋と、あとは大きなインディアン・ティピーがひとつあるのみ。あとは、あちこちに丸太が置かれていたり、大きなネットが木と木の間にハンモックのように取り付けられていたり、木の太い枝に縄をくくり付けただけのブランコのような遊具が、木の枝からぶら下がっていたりするだけです。先生は、例えば「このハンモックには、3人まで一緒に乗っていいよ。それ以上だと危ないからね」と子供たちに教えます。あとは子供たち同士で、どうしたら上手い具合に、順番に3人ずつ乗ることができるかを考えながら遊ぶのです。先生は、子供たちの自主性に任せ、事の成り行きを見守っています。こうしたやり方が、日本の先生方には新鮮に映ったようで「森の幼稚園の先生は、ギリギリまで子供に声をかけるのを待つ。本当に辛抱強く子供たちを見守ることができるんですね」と感想をおっしゃっていました。

 

 「青いアネモネ」では、毎週金曜日に先生と子供たちが、ティピーの中のたき火でお昼ご飯を作るのですが、この日は、特別に子供たちがにんじんの皮をむき、細かく刻んで、それを混ぜ込んで焼いた自然な甘さのおいしい自家製パンをごちそうしてくれました。子供たちが歌ってくれる「ごはんの歌」や「海賊の歌」を聴いたり、森の幼稚園の先生が「たき火では、スープを作ったり、パンケーキを焼いたり、ポップコーンを作ったりもするんですよ」という説明を、長い木の枝にザルを2つくっつけたシンプルな「ポップコーン製造機」に見入りつつ聞いたりしながら、森の幼稚園と普通の幼稚園との違い、公立と私立の幼稚園の違いは何かなど、日本の先生方が熱心に質問されているのがとても印象的でした。今回の視察グループの代表を務められた、学校法人文伸学園 綾南幼稚園の田中伸宜園長は、デンマークの森の幼稚園が、共働きの両親に合わせて朝6時半から夕方5時まで子供たちを預かるなど、日本の保育園と幼稚園の両方の機能を兼ねていること、そして、こうした保育施設、保育システムに対してデンマークという国や自治体が、制度的にも経済的にも積極的な支援を行っていることを感じる、とおっしゃっていました。確かに、デンマークでは、「国民一人一人は国にとって大切な財産」ととらえ、子供時代を自然の中で健やかに過ごすことは、将来大人になってバランスの取れた社会活動をし、国を支えていくためには重要である、と考えてられていることが、こうした保育システムのスムーズなバックアップの背景となっていると考えられます。今回は、視察の受け入れ側となったロラン島の森の幼稚園の先生たちも、日本の幼稚園や保育システムについて興味津々で、「近い将来、ぜひ私たちも日本の幼稚園を視察したいね」と口々に話していました。これからも、日本とデンマーク、双方の幼稚園で交流を深めて、子供たちにとっての理想の保育スタイルを見つけることができれば素晴らしいですね。デンマークの森の幼稚園については、まだまだお伝えしたいことがたくさんあるので、ぼちぼちご紹介していければと思っています。    

 そういえば、先日、7月20日(月)の海の日14:55〜16:20に日本テレビ系列28局ネットで放送された、「トヨタECOスペシャル 地球不思議大紀行 生命の海の謎を追え!」、ご覧になって頂けましたか?おかげさまで、4つのミッションの中でも、ロラン島はとても評判がよかったそうで、とてもうれしく思っています。これをきっかけに、より多くの方がロラン島のエココンシャスな取り組みや、人々の暮らしぶりに興味を持ってくださって、実際にこの地を訪ねてくださったら、こんなにうれしいことはありません!有限会社リボーン エコツーリズムネットワークでは、ロラン島の再生可能エネルギー・プロジェクトや森の幼稚園を訪ねるエコツアーも実施されますので、興味のある方は、ぜひお問い合わせくださいね。有限会社リボーン エコツーリズムネットワークへのリンクはこちらhttp://reborn-japan.com/

 

では、また!

PROFILE

ニールセン 北村 朋子(にーるせんきたむらともこ)

デンマーク・ロラン島在住のライター、ジャーナリスト、コーディネーター。再生可能エネルギーの利用などの環境や食など、地球と人にうれしいライフスタイル追求がライフワーク。森の幼稚園の運営委員、ロラン市地域活性化委員、デンマーク・インターナショナル・プレスセンター・メディア代表メンバー。

 

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2009年

7月

20日

ロラン島から、最新ニュースを2つ

 前回このブログをアップしてから、ずいぶんと時間が経ってしまいました(反省)。COP15まで半年を切り、ロラン島もますます忙しくなってきました。これからは、もっと頻繁に情報をアップしていくつもりでいますので、このブログも変わらずチェックしてくださいね!

 

 今日は、最新ニュースを2つ、お伝えします。

 今、デンマークは夏真っ盛り、バカンスシーズン真っ盛りですが、そんなロラン島の今の様子を日本のテレビで再びご覧頂けることになりました!7月20日(月)の海の日14:55〜16:20に日本テレビ系列28局ネットで放送される、「トヨタECOスペシャル 地球不思議大紀行 生命の海の謎を追え!」という番組です。中京テレビ制作のこの番組では、関ジャニ∞の村上信五・丸山隆平・安田章大の3名が、「世界各地の海へと旅立ち、地球の未来の可能性を探る」というミッションを完遂すべく、世界の4つの地域に調査に乗り込む、という内容なのですが、その4つの舞台のうちのひとつがロラン島なのです!調査員として、丸山隆平さんが来てくださったんですよ。世界最大規模のロドサン海上風力発電パーク、世界初の水素コミュニティ、バイオガス施設、森の幼稚園、そして環境に配慮したライフスタイルを実践する、ロラン島のある家族も訪問してくれています。お時間のある方は、ぜひぜひご覧になってみてくださいね。

番組についてのリンクはこちら。http://www.ctv.co.jp/eco_sp/mission4.html

 そして!こうしたロラン島のシンプルだけれどエネルギーコンシャス、エココンシャスな暮らしを実感していただけるエコツアーが誕生します!有限会社リボーン エコツーリズムネットワーク主催で、「環境先進国デンマーク ライフスタイル体験スタディーツアー」を実施することになりました。

 

 コペンハーゲンでは、市の環境対策について学ぶほか、超人気シェフ、ニコライ・キアクと、デンマークで最も多くのミシュランの星を獲得している天才シェフ、ミケル・モアビャオという2人の安全でおいしく、楽しい食にこだわるシェフによる北欧オーガニック料理を堪能。ロラン島では森の幼稚園、デンマーク最大の有機農園クヌセンルン、風力、水素や藻など再生可能エネルギー施設を訪ねる他、リンゴの木の植樹も行う予定です。利用ホテルやB&Bももちろん環境に配慮したところを厳選しています。このツアーのコーディネート、ガイドは、ロラン島在住の私、ニールセン北村朋子が責任を持って担当させて頂きます。「未来の島」として注目のロラン島へ、この機会にぜひ足を運んでみませんか?

 

 ツアーの概要は以下の通りです。詳細についてのお問い合わせは、有限会社リボーンまでお願いいたします。

環境先進国デンマーク ライフスタイル体験スタディーツアー

 

日程:2009年8月23日(日)~8月29日(土)7日間             

【参加費用の目安】

1.現地参加費用248,000円+2.海外航空運賃約150,000円

(予約確定時点で変動あり)

(デンマークでのオプショナルツアー費用は現地参加費用に含まれます)

※上記費用は1.だけが基本であり、2.はご自身で手配や

ご希望されなければ不要。

お問い合わせ:有限会社リボーン エコツーリズム・ネットワーク

TEL 03-5363-9216

mail: eco-tourism@reborn-japan.com

 

ひとりでも多くのみなさんにお会いできることを楽しみにしています!

 

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ニールセン 北村 朋子(にーるせんきたむらともこ)

デンマーク・ロラン島在住のライター、ジャーナリスト、コーディネーター。再生可能エネルギーの利用などの環境や食など、地球と人にうれしいライフスタイル追求がライフワーク。森の幼稚園の運営委員、ロラン市地域活性化委員、デンマーク・インターナショナル・プレスセンター・メディア代表メンバー。

 

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2009年

4月

21日

いよいよ、藻の国際会議が始まりました!

 こんにちは。

 ロラン島にも、ようやく春がやってきました!

今朝は、氷点下まで冷え込みましたが、それでも日中は15℃前後まで気温が上がり、桜は満開。レンギョウやスイセンも黄色が美しく、庭がまぶしく感じるほどです。

 

 さて、いよいよ4月20日からロラン島では「風/海/藻 海上における藻の培養とバイオ燃料への活用を考える国際会議」が始まりました。会期は3日間、メディアへの公開は21日からで、私も参加予定ですので、そのレポートはもうしばらくお待ち頂くとして、今日は、なぜロランが海上で藻を栽培し、バイオ燃料として活用する未来にこだわっているのかについて解説しましょう。

 

 ロラン島というロケーションには、海上藻エネルギー施設として機能するために重要な要素が揃っています。その要素とは1)ロラン島は、持続可能、運搬可能、カーボンニュートラルな燃料の必要性を認識し、こうした燃料を生産するために投資を惜しまない、デンマークという国に位置する。2)ロラン島は、浅瀬で島周辺が比較的穏やかなバルト海に位置していることから、藻の収穫に適している。そして、3)ロラン島は、世界最大規模の海上風力発電パークが最初に作られた場所であるということ、の3つです。すでにある、もしくは現在建設中の規則正しく並んだ風車を利用すれば、藻をしっかりと囲っておくための水槽などインフラも整えやすいはずで、島での需要を大幅に上回るほど豊富な風力発電は、培養条件や収穫、さらに藻の生産にも有効利用できるはずです。

 

 世界で初めてとなる、海上における藻エネルギー調査研究所をロランCTF(Community Test Facilities/地域共同体実験施設)に設置すれば、世界中から研究科学者や企業、投資家の注目を集めることは必至です。そうなれば、科学者や技術者に、海上における藻エネルギーの可能性について現実的な条件のもと、大きなスケールで実験してもらうことが可能になるのです。これは、「エネルギーR&Dのメッカとなる」というロランCTFのヴィジョンにもマッチしているだけでなく、風車の本体と風力の両方を藻の栽培に有効利用することにもなります。日光と風力を使って藻を作れば、水を電気分解して水素を作ることと同じように、風力で作り出したエネルギーを蓄電できます。この場合、エネルギーはバイオマスとして蓄えられ、カーボンニュートラルなバイオ燃料に変えることが可能になります。

 

 こうしてみると、海上における藻の栽培、生育を経てバイオ燃料を作るということは、持続可能な未来へ向けとても有望な取り組みのように思えますが、果たして、どのくらい現実的で、実現可能なことなのか...その答えを導きだすための話し合いやワークショップが、今回の国際会議の目的なのです。

 

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ニールセン 北村 朋子(にーるせんきたむらともこ)

デンマーク・ロラン島在住のライター、ジャーナリスト、コーディネーター。再生可能エネルギーの利用などの環境や食など、地球と人にうれしいライフスタイル追求がライフワーク。森の幼稚園の運営委員、ロラン市地域活性化委員、デンマーク・インターナショナル・プレスセンター・メディア代表メンバー。

 

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2009年

3月

06日

藻...なぜ海上なのか?

 こんにちは。

 今日のロラン島は、日中の気温が7℃まであがりました!でも、週末にはまた夜間に氷点下になる予報がでています。

 

 さて、今日はのびのびになっていた、vol.4からの藻のお話の続き、なぜ海上で藻を栽培するのか、について、再びロラン島の環境NPOの資料を元に説明しますね。

 

 藻の栽培は、農業と競合する必要はありません。なぜなら、藻に必要なのは肥沃な土地ではなく、適度な太陽の光と水分(淡水または海水)、養分、そして収穫と加工のためのインフラであるからです。現在、アメリカ合衆国では、屋外の沼や水路、もしくは複数の水平パネルで構成された屋内のバイオリアクターといった、地上での藻の培養システムに注目が集まっています。そして、こうしたシステムにかかる主なコストをあげると、

 

土地

 

 

屋外/屋内の光バイオリアクター

 

電力

 

CO2を含む養分

 

栽培状態の維持

 

収穫と藻バイオマスの脱水

 

バイオマス/オイルへの加工

 

 

ということになります。

 

 コスト的には、最近のデザインの屋内バイオリアクターには$1,000,000/エーカーかかるといわれ、一方水路での培養は$40,000/エーカーであるため最も経済的と考えられています。しかしながら、水路システムの場合は、低い生産量、蒸発、海草類の侵入が欠点。こうした問題は、屋内のバイオリアクターでは発生しないけれども、一方で、現在の屋内用デザインでは、バイオ燃料の加工のための十分なスペース、温度調節、光の量が限られる、などの問題があります。これらひとつひとつが、藻の栽培と利用における、経済的影響を与える要因となるのです。どちらのシステムにおいても、将来は「水」が重要な課題となるでしょう。オイルを生成できる海藻もあり、アメリカ合衆国には、藻を培養できる沿岸陸地や海水帯水層が多数存在します。しかし、海や海水帯水層から海水をポンプで揚水するには、大量にエネルギーを消費しますし、屋外システムでは、蒸発の問題が残ります。塩濃度が高くなりすぎれば、藻は死んでしまいます。

 

 ですから、バイオ燃料のための藻ファームをどこにつくるか、というのは非常に重要な問題です。水(成長のための海水と、塩分調整のための淡水)の必要性に加えて、適度な太陽光と、CO2を含めた、必要な養分の供給も求められます。淡水と養分は、どちらも町から出る排水から供給可能ですが、かといって、養豚場が町に隣接していてはいけないように、藻ファームを町の近くに作るのも考えものですーどちらも臭いがありますから。藻ファームと養分の供給元との距離が開けば、配管やポンピング、もしくはトラック輸送にかかるファームのコストにも影響してきます。

 

 オイルの必要性と藻の潜在生産力から、藻の培養の挑戦のために多額の投資が行われていますが、現在は、地上におけるシステムを完成させることに重点が置かれており、海上での培養についてはあまり議論されていません。これまで見てきたような、地上での培養に関するいくつかの問題は、海上で行えば解決することは明らかです(たとえば、場所、水、ミキシング、温度調節、養分の供給など)。その一方で、インフラ、アクセス、配送コスト、トラッキング、海上交通、環境への負担、永続性、コントロール、収穫、加工などの問題が生じます。しかし、様々な問題が考えられるからといって、海上での藻の培養の可能性を排除してしまってもいいのでしょうか?

 

 だからこそ、4月にロラン島で開催される「風/海/藻の国際ワークショップ」において、「世界の海上で、藻をベースとしたカーボンニュートラルなバイオ燃料を生成するのは可能か」が話し合われるのです。

 

 と、藻のお話はここまでで、今日は、またまたお知らせがあります。

 

 3月5日に発売された、木楽舎から出ている月刊誌『ソトコト』4月号の「知的な地的なエネルギー学!」という特集の中の、「デンマーク3都市から届いた、エネルギーフリーへの挑戦記録」という16ページの取材と記事執筆を担当させていただきました。今回はロラン島の話題ではありませんが、コペンハーゲン、スナボー、スキーヴェという3つの街/町から、それぞれ、街、家、職場でどのようにしてエネルギーフリーの実現を目指しているかについてリポートしています。日本の街や家、職場で活かすことができそうなヒントもちりばめられていますので、ぜひご一読ください!

http://www.sotokoto.net/sotokoto/

 

 次回は、藻について「なぜ、ロラン島なのか?」について書きますね。

 それでは、また!

 

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ニールセン 北村 朋子(にーるせんきたむらともこ)

デンマーク・ロラン島在住のライター、ジャーナリスト、コーディネーター。再生可能エネルギーの利用などの環境や食など、地球と人にうれしいライフスタイル追求がライフワーク。森の幼稚園の運営委員、ロラン市地域活性化委員、デンマーク・インターナショナル・プレスセンター・メディア代表メンバー。

 

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2009年

3月

01日

2009年も、ロラン島は元気です!

 みなさま、ごぶさたしております。

 日本は梅も咲いて、そろそろ春便り、といったところでしょうか。

デンマークでは、先々週までは雪が降り、氷点下10℃以下に下がることもあったりしてかなり寒かったのですが、今は暖かい日差しが降り注ぎ、まるでもう春がやって来たようです。我が家の庭にも、デンマークで春を告げる花、と言われている黄色いイランティスや白いヴィンタゲクという可憐な花が咲き始めました。

 

 ロラン島も、環境自治体としてますます忙しくなってきましたよ!

 

 まずは、2月27日、これまでの環境自治体としてのユニークで積極的な取り組みを評価され、ロラン市はシモン・スピース財団から、50万デンマーク・クローネの寄付を受けました!プレゼンターとして、気候エネルギー省のコニー・ヘデゴー大臣がロラン市にやってきたんですよ。これで、ロランが力を入れているプロジェクトの一つ、「藻イノベーション」への取り組みもますます加速しそうです。

「藻」といえば、これまで少しご紹介していた世界初の「風/海/藻 海上における藻の培養とバイオ燃料への活用を考える国際会議」は2009年4月22日〜24日まで、ロラン島で開催されることになっています。

 

 また、今月末の3月27日〜29日には、国際青年会議所ロラン支部主催で、「気候会議」がラランディアというリゾートセンターで開催されることになりました。

会議では、ロラン市の環境プロジェクトリーダーのレオ・クリステンセン氏が、ロラン島が環境自治体となるまでの歩みについて解説する他、ロラン島にも工場のある、風力発電機のトップメーカー、ヴェスタスの投資マネージャー、ピーター・ヴェンセル・クルース氏が、気候問題に関する同社のグローバルな取り組みについて、そして、トヨタ・デンマークの情報マネージャー、レネ・モウリットセン氏は、一企業として環境問題に対し、どうしたら一歩先を行くアクションをとれるのか、について語る予定になっています。また、日本語にも翻訳された著書「環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態」や「地球と一緒に頭も冷やせ!温暖化問題を問い直す」でも世界的に有名な政治学者、ビヨン・ロンボー氏(日本語ではビョルグ・ロンボルグと訳されているようですが、デンマーク語読みではビヨン・ロンボーです)も講演を行う予定になっており、彼がどんな話をするのか、期待が高まります。今回の会議では、国際青年会議所のメンバーによるワークショップもあり、将来を担う若きリーダー候補生達が、どのような議論を繰り広げるのか、今からとても楽しみです。

 

 今年は、デンマークのアナス・フォー・ラスムセン首相も年頭のスピーチで、世界的金融危機や気候・環境問題について言及していました。ちょっとご紹介すると、「この記録的な世界金融危機は、必要以上に悲観視すればさらなる危機、混乱、崩壊という負のサイクルにはまり込む可能性がある。その一方で、危機は新しい視点を与える機会とも成りうる。」そして、「グリーン成長を持って、危機から脱出する策としよう。だからといって、がまんを強いたり、禁止事項を増やしたりするのではなく、楽しみながら、やる気がみなぎるような方法で取り組む。それがダイナミックなグリーン成長である。風力、バイオ燃料、太陽エネルギー、その他の再生可能エネルギー。消費するエネルギーより、供給するエネルギーの方が多い、エネルギープラスハウス。高速列車と、最新式の鉄道システム。最新型で速い電気自動車。自然に配慮した道路の拡充、環境に配慮した農業、グリーンエネルギーの生産、安全な食、そして安定した輸出高をキープすること。」「失敗を恐れるより、成し遂げようとする気持ちが強ければ、全てはいい方向に向かう。」と、こんな内容でした。アメリカでオバマ大統領が掲げる「グリーン・ニューディール」のデンマーク版ともいうべき、力強い宣言です。このスピーチによって、デンマーク国民は、「私たちは、よりいっそうグリーンな国家づくりへの道を進むのだ」と意識を新たにしたようで、多くの企業やロラン市をはじめとした自治体で、これに呼応した動きが始まっています。

 

 日本にとっても、今年はアジアを代表する「グリーン国家」としてイニシアチブを取ろうという「改革の年」となるのでしょうか。この金融危機をバネに、ぜひそうなっていくことを期待したいですね!

 

 では、今日はこのへんで。次回は、藻のプロジェクトの続きをお話ししたいと思います。

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ニールセン 北村 朋子(にーるせんきたむらともこ)

デンマーク・ロラン島在住のライター、ジャーナリスト、コーディネーター。再生可能エネルギーの利用などの環境や食など、地球と人にうれしいライフスタイル追求がライフワーク。森の幼稚園の運営委員、ロラン市地域活性化委員、デンマーク・インターナショナル・プレスセンター・メディア代表メンバー。

 

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2008年

12月

03日

NHK総合テレビでも、ロラン島が紹介されます!

 早いもので、今年ももう師走ですね。

 そして、もうすぐクリスマスですが、デンマークではクリスマスのことを「ユール」と呼ぶんですよ。

ヴァイキング時代の冬至祭の名残りの意味合いが強いようです。

昔から北欧の人々は、冬至を境に、また日が徐々に延びていくように、「Julユール(輪の意味)」が一巡りするようにとたくさん飲み、たくさん食べて祝い、願い、感謝する習慣が、今も続いているのだそうです。

デンマークの12月は、まさに「ユール月間」で、学校では行事が目白押し、大人もパーティーばかりで、ほとんど仕事にならないんですよ(笑)。

 デンマーク人にとっては、家族や友人と集い、心温まる心地よさを意味する「Hyggeヒュッゲ」を楽しむ、

一年のうちでもとても大切なシーズンなのだと、毎年この時期になると実感します。

デンマークのクリスマスについては、またおいおいご紹介したいと思っています。

 

 今日は、またまた、みなさんにお知らせがあります。

 11月中旬に、NHKがロラン島に取材に来てくださり、来年1月2日にNHK-BS1で22:10から24:00に放送される「未来への提言スペシャル〜低炭素社会への道〜」という約2時間の番組の中で、ロラン島の取り組みが紹介されることになった、とご報告しましたよね。

 実は、それに先立って、12月29日(月)の21:00から21:55まで、総合テレビの環境特別番組「SAVE THE FUTURE〜ようこそ低炭素社会へ〜」の中でも、ロラン島の先進的な取り組みを紹介してくださることになりました。こちらもあわせて、ぜひぜひご覧になってみてくださいね!

 

 今日は短いですが、このへんで。

 次回は、前回からの宿題の「藻について」の続きを書きますね。

 

 それでは、また!

 

追伸:先週の雪が解けて、近くの小川の増水具合がちょっと心配です・・・。ちなみに、わが家は海抜の低いロラン島でもさらに低い、海抜マイナス地帯にあり、そのため「堤防税」なる税金も払っております。これは、将来、堤防を新たに作ったり、強化したり、再建したりする時のために使われる税金だそうです。

 

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