
地球の気候はこれまで温暖化と寒冷化の間で振り子のようにふれてきた。ここ数百万年の間に地球は10回の氷河期を体験。直近の氷河期が終わってから1万2千年。私たち人間は間氷期の温暖な気候を謳歌してきた。
そんななか氷河期が戻ってくる!と主張する人たちもいた。地球の公転の長期的シフトと二酸化炭素濃度の変化によって地球の気候が決まる。現在が間氷期である以上、そのふたつの要素の変化によって氷河期に転ずることはありえないわけではない。
だが、そんな説をくつがえす研究が発表された。
この研究は気候変動を研究するドイツの研究機関によって「ネイチャー」に発表されたもの。自然のままにまかせれば氷河期は5万年は訪れることはなく、人間によって生み出された地球温暖化を考慮すると10万年はこの温かさが続くという。
前回の氷河期にはカナダ、北ヨーロッパ、シベリアが氷で覆われていた。そんな恐ろしい寒冷化が先送りされたことはありがたい。だが、私たち人間が地球のサイクルに大きな影響を与えることになったことは怖ろしいことだ。気候変動によって都市が寒冷化するという説もある。地球温暖化が暴走を始めた時に人間はそれを止める術があるだろうか。
パリ協定で始まった国際的な枠組みが一日でも早く実効性のある取り組みとなることを期待したい。
<参照リンク>
Global Warming Could Stave Off Next Ice Age For 100,000 Years
翻訳・文 / ソーシャルエコロジー研究所
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