
鹿児島市が、下水処理の過程で出る汚泥(汚れた泥)からバイオガスを取り出し、それを都市ガスの原料として使う取り組みを始めた。現在、市立小学校のうち都市ガスを使用する42校に、バイオガス由来の環境価値を付した都市ガスを供給している。
鹿児島市と日本ガス株式会社が進めるこのプロジェクト、下水汚泥という、これまで捨てられていたものを単なるゴミとして扱うのではなく、「バイオマス(生物資源)」として再利用することで、いくつかの大切な目標を同時に達成しようとしている。
この取り組みで期待される効果
このプロジェクトには、以下のような良い点が挙げられる。
地球温暖化の対策になる:バイオガスは、下水汚泥に含まれる有機物が分解されるときに発生するガスだ。このガスを燃やすと二酸化炭素が出るが、もともと植物が光合成で吸収した炭素を元にしているため、化石燃料(昔の生物が地中に埋もれてできたもの)を燃やすよりも、二酸化炭素の排出を大幅に減らすことができる。これにより、地球温暖化の進行を抑えることに貢献する。
資源を無駄なく活用できる:下水汚泥をただ捨ててしまうのではなく、そこからバイオガスというエネルギーを取り出すことで、資源を有効に活用できる。これは、限りある資源を大切に使うという考え方に基づいている。
災害に強い街づくりにつながる:バイオガスを地元の資源で作ることによって、外部からのエネルギー供給が何らかの理由で途絶えた場合でも、自分たちの街でエネルギーをまかなうことができる。地震や台風といった災害が起きた際にも、安心して生活できる街づくりに役立つ。
私たちの生活に欠かせない下水処理のインフラをうまく活用して、環境に優しく、持続可能な街づくりを目指した鹿児島市。カーボンニュートラルを目指す各地域に参考になる取り組みを言えそうだ。
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翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部(AIを使用)